熊本県、水俣・芦北振興の第8次計画を策定へ 知事が表明
熊本県の木村敬知事は21日、水俣病問題で疲弊した地域の振興を目指す2026年度以降の第8次水俣・芦北地域振興計画を策定すると表明した。現行の第7次計画は21~25年度。県議会一般質問で「振興は道半ばで、今後も県と地元市町が一体となって課題の解決に取り組む必要がある」と述べた。 関係市町と協議し、基本構想について来年7月をめどに策定する。 振興計画は1978年の閣議了解に基づき、79年度から策定。計画に基づき、水俣湾の埋め立てや南九州西回り自動車道の整備、環境関連産業の集積などの事業を進めてきた。第7次計画では和紅茶やマガキなど地元産品のブランド化や水俣の海をテーマにしたアニメ制作、体育館の空調整備や旧平国小跡地の利活用事業などを盛り込んだ。 木村知事は現行計画の成果について「地場産業の活性化や地域の魅力発信、ハード整備が着実に実を結んでいる」と挙げた。一方、「県内の他地域と比較して所得水準が低く、観光客が少ない。水俣病患者や家族の支援、水俣病に関する偏見差別の解消も引き続き取り組まなければならない」と述べ、次期計画の必要性を強調した。
県は6月定例会に提出した24年度一般会計補正予算案に第8次計画の方向性を示す基本構想の調査費496万円を計上した。自民党県議団の吉永和世氏(水俣市区)への答弁。(川野千尋)