ランニングでコレステロール値を下げることはできる?
自分のコレステロール値を把握するには?
高コレステロール血症(悪玉コレステロールが多すぎる状態)は無症状の健康リスク。自分のコレステロール値を確認するもっとも簡単な方法は病院で血液検査を受けること。近親者にコレステロール関連の疾患を持つ人がいる場合はとくに検査を勧められる可能性が高い。
ランニングでコレステロール値は下げられる?
運動でコレステロール値が下がるのは臨床的に証明された事実。これまでの研究により、定期的な運動は善玉(HDL)コレステロールを増やす一方で、悪玉(LDL)コレステロールとトリグリセリドの増加を防ぐ(理論的には相殺する)ことが分かっている。「アクティブな人、その中でもにとく持久力系の有酸素運動をしている人は、善玉コレステロール値が高い傾向にあります」とスティーブンス博士。「これは、ほぼ間違いなく、身体的にアクティブな生活を送っているとコレステロールの代謝がよくなるからでしょう」 とくにランニングはコレステロールと用量反応関係にあり、走行距離はコレステロール値に直接的な好影響を与えることが証明されている。医学専門誌『Jama Internal Medicine』掲載の研究結果は、善玉コレステロール値が走行距離の増加に伴って少しずつ改善し、軽度から中等度の強度で週11.2~22.5kmを走ったときにもっとも大きな変化が見られたことを示している。悪玉コレステロールとトリグリセリドの値、そして総コレステロールに対する善玉コレステロールの割合も週を追うごとに改善した。 また、内科学専門誌『Archives of Internal Medicine』掲載の研究結果を見る限り、走行距離が週80km以上の熱心なランナーは週16km未満のランナーよりもコレステロール値が改善しやすい。この研究では、前者の集団で善玉コレステロール値が臨床的に低い人の割合が85%低下して、善玉コレステロール値が臨床的に高い人の割合が後者の2.5倍に増加した。