「妻の最初の反応は『おせーよ』でした」。引退を決意した鈴木おさむに森三中・大島美幸が贈った意外な言葉
仕事の辞め方 #3
3月末で放送作家業・脚本業から退く鈴木おさむ氏だが、仕事を辞めることを決意したあとは、誰にどのような順番で話すかが重要だという。引退を決意した際、妻である森三中・大島美幸氏が投げかけてくれた言葉とは? 【関連書籍】仕事の辞め方
『仕事の辞め方』(幻冬舎)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
辞めることを話す順番
本当に辞めると自分の中で決めた後で大切なのは、辞めることを人に話す順番です。 辞めると覚悟するまでいったわけです。でも、話す順番を間違えると、その気持ちが揺らいだりして、自分の人生が見えにくくなります。 では、どういう順番で言ったらいいのか? 結婚している方は、まずは妻や夫といった、家族からというのが大事だと思います。 僕は、本当に辞めると決めてから、その思いをやはり最初に妻に伝えました。 妻が大反対したら辞めることをやめていたかもしれません。 僕の場合は、「大事な話があるんだ」みたいなことはせず、息子が学校に行ってから、「あのさ、放送作家を来年、辞めようと思うんだけど」とさらっと伝えました。 妻の最初の反応は「おせーよ」でした。意外にももっと早く言い出すと思っていたそうなんです。そして「すごくいいじゃん!」と。そう言ってもらえると思っていましたが、想像以上にいい反応でした。
妻からしか見えてない自分
妻からしか見えていない僕がいます。毎日仕事に追い込まれて、イライラしたりプレッシャーを感じて苦しそうな僕を妻は見ていました。 生きていて苦しそうと思っていたようです。 そして、「ここからは自分の人生を自分のために使って生きてほしい」と言われました。さらに、妻がある日僕に言った言葉が胸に残っていました。「お金に執着するとそういう人生になるんだよな」と。 僕はこれまでお金に執着するタイプではありませんでしたが、やはり、仕事を辞めると自分の中で決めてから、お金のことを考えるようになりました。 なぜなら今よりも収入がかなり減ります。来年からやる新たな仕事が成功するかどうかもわからない。 生活のレベルも大きく変わってきます。僕はポジティブな方ですが、辞めると決めた当初は、自分の中で「なくなるもの」を考えてしまった。 ですが、妻のこの言葉で、考え方が変わりました。 お金や生活レベルのことなどを最初に考えていると、未来が考えにくくなるのです。 妻の言葉で、自分の不安からくるその考え方が小さくなっていきました。 そして、自分の人生を自分のために使うことを考えられるようになりました。 辞めると決めてから、やはり、気持ちにブレが生じましたが、妻に伝えたことで強いものになりました。 僕の場合は、妻がきっと賛成してくれると思ったこともありますが、妻に伝えたら気持ちが強く固まるはずだという思いもあった。だから最初に妻に話したんだと思います。