なぜ外国人が東京・大井競馬場のフリマに集まるのか 「安い」「品ぞろえが豊富」だけじゃない魅力とは
ほぼ毎週末、東京・大井競馬場の駐車場で開かれているフリーマーケットに、多くの外国人が訪れている。日用品からコレクターズアイテムまで、さまざまな商品が並ぶ「Tokyo City Flea Market」は、日本最大級のフリマだ。運営会社「東京リサイクル運動市民の会」によると、出店数は約400店、1日の来場者は約4000人。そのうち3~4割が外国人で、特に欧米人が多いという。彼らは何に魅力を感じてこの場所に集まってくるのか、現地を訪ねた。 【写真】東京・大井競馬場のフリマで外国人が買っているものは? * * * パソコンのパーツ、グローブ、傘、布の切れ端……。シートの上に山積みにされているガラクタのような品に、20人ほどが群がるように集まり、それぞれが熱心に何かを探している。そのなかに、白いブラウスを身に着けた外国人の女性がいた。 話を聞こうと声をかけると、 「何か日本っぽいものを探すのを手伝ってくれませんか。いいものがあれば買いたいんです」 と、逆に「お宝さがし」を頼まれた。 カトリーナさんは昨日、ポーランドから日本に到着したばかり。先ほど購入したばかりのオレンジ色の布を、うれしそうに広げた。 「触った感じが絹っぽくてすてきです。テーブルクロスとかクッションの材料に使えると思うんです」 日本の古い文化に興味があり、インターネットでフリマの存在を知った。半年前に訪れた際には、明治時代の書道の教科書を購入したという。 そんなカトリーナさんの目にとまったのは、金色に塗られた「おちょこ」。大小さまざまなおちょこが20個ほど、小さな段ボール箱に雑然と入れられていた。 「小さなものですが、見ているととても面白いです」 鶴と亀の絵柄や文字が描かれたもののなかから、カトリーナさんが「これがほしいです。この模様は天皇のしるしですよね」と取り出したものには、「菊花紋章」に似たデザインが描かれていた。 店主に値段を尋ねると、2個で400円。「買ってしまいました」とカトリーナさんは満面の笑みを浮かべた。