クリムトの晩年の作品が約100年ぶりに公開。4月に競売へ
オーストリアの画家グスタフ・クリムト (1862~1918)の晩年の作品で、1925年以来公開されていなかった肖像画が、1月25日にオーストリア・ウィーンで発表された。 作品は1917年に描かれた《リーザー嬢の肖像》。これはユダヤ系の実業家リーザー家の依頼で描かれたもので、18年2月6日にクリムトが死去した際、クリムトは未完成のままこの絵をアトリエに残した。クリムトの死後は、この絵は依頼した家族の手に渡っている。そして25年の展覧会に出品されて以来、同作は白黒の写真でしかその存在を確認されていなかったという。 ウィーンの競売会社「イム・キンスキー」によると、同作はこれまでオーストリア市民による個人蔵となっており、一般公開はされていなかったものだという。そして、「同作の再発見はセンセーショナルを巻き起こしており、これほど稀少性、芸術的意義、価値のある絵画の出品は、中央ヨーロッパ美術品市場でも数十年ぶりだ」とリリースで述べている。 なお、同作は4月24日のオークションにて競売を掛けられる予定となっており、落札価格は3000~5000万ユーロ(約48~80億円)と予想されている。競売前には作品の世界巡回も予定されており、スイス、ドイツ、イギリス、香港で事前公開されるという。 この投稿をInstagramで見る Auktionshaus im Kinsky(@auktionshausimkinsky)がシェアした投稿