トランプ氏支援のマスク氏、ソーシャル広告費にXが占める割合小さい
(ブルームバーグ): 米実業家イーロン・マスク氏は、自身が所有するソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」の個人アカウントをトランプ前大統領の選挙運動を支援する広告塔として利用している。
だが、マスク氏(53)が設立した政治活動委員会(PAC)がソーシャルメディアに投じる広告費全体にXが占める割合はわずか3.6%と、かなり抑えられている。
Xが公表した最新の開示情報によると、マスク氏の「アメリカPAC」は21日までに、Xへの政治広告に約20万1000ドル(約3050万円)を支出した。
今月の同PACによる広告は全て、大統領選の激戦州ペンシルベニア州のユーザーを対象としており、マスク氏はトランプ氏を応援する選挙運動にかなりの時間を費やしている。
アメリカPACは7日にXアカウントの「@america」を引き継いで以降、毎日1人に100万ドル贈呈やペンシルベニア州でのマスク氏自身によるタウンホール形式の演説を宣伝する広告に3万4366ドルを支出。同PACは、以前使用していたアカウントでもXの広告に16万6000ドル余りを費やしていた。
アメリカPACはコメントを控えた。Xの広報担当者にコメントを求めたが、返答はなかった。
アメリカPACのX広告費は、他のソーシャルメディアネットワークに割り当てられた費用と比べるとかなり少ない。フェイスブックやインスタグラムを運営しているメタ・プラットフォームズの広告ライブラリーによると、アメリカPACは19日までにメタへの広告に380万ドル余りを支出している。
グーグル広告透明性センターによれば、アメリカPACはアルファベットにも150万ドル余りを支出している。これには動画投稿サイトのユーチューブへのスポット広告やグーグルの検索結果の順位を上げる対策費用などが含まれる。
アメリカPACのXへの支出が比較的少ないのは、マスク氏がこのプラットフォームを個人的に利用し、2億人を超えるフォロワーに対しトランプ氏を無料で宣伝していることが要因かもしれない。