【オーストラリア】豪4大銀、年内利下げ予想は1行だけ
オーストラリアの4大銀行のうち、年内の利下げを予想しているのはコモンウェルス銀行(CBA)の1行にとどまっていることが分かった。米国の連邦準備制度理事会(FRB)が18日に0.5%の利下げに踏み切ったことを受け、オーストラリア連邦準備銀行(RBA)も24日に予定されている金融政策決定会合で追随するか注目されている。 RBAのブロック総裁はこれまでに、年内の利下げは「(RBAの)理事会の考えとは一致しない」としていた。一方で市場は、ブロック総裁の発言にもかかわらず年内利下げを織り込んでいたが、19日に発表された8月の失業率が4.2%で横ばいと堅調だったことを受け、年内に0.25%の利下げを行う確率を80%と、これまでの90%から引き下げた。 CBAのエコノミスト、エアード氏は、前回8月の会合以降、経済データは軟化しているか予測と一致していることから、引き続き年内の利下げを見込んでいるとした。 ウエストパック銀行のチーフエコノミスト、エリス氏は「FRBの利下げは予測より大きかったものの、RBAの決定には影響しないだろう」と述べ、最初の利下げは来年2月になると予想した。 ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のシニアマーケットエコノミスト、ニュージェント氏は、最初の利下げは来年5月と予想。「家計への圧力は最悪期を脱したと考えており、RBAが安心感を持って利下げに踏み切るまでは時間がかかるだろう」との見方を示した。 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニアエコノミスト、バーチ氏は、RBAは24日に利上げを検討した上で、最終的には据え置きに落ち着くと予想。来年2月まで利下げはないとした。 一方、中小企業向け融資を専門とするジュド銀行のチーフエコノミックアドバイザー、ホーガン氏は、オーストラリアの金利は米国よりもはるかに低いと指摘。「国内経済は破壊的なインフレにさらされている」とし、RBAは利上げするべきだと主張した。