歯周病やオーラルフレイル対策に、今から始める口腔ケア。
今からでもきちんと身につけたい、正しい歯の磨き方。
検診は必須とはいえ歯周病治療の主役はあくまで本人、と照山さん。 「クリニックで歯石を取ってもらったら、その状態をなるべく次の検診までキープするようにしてください」 歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシの選び方は一般的なおすすめはあるものの個人の状態により異なるので、歯科衛生士さんに自分に合ったケアを教えてもらうと早道。 「歯磨きは1日3回にこだわって、ちゃちゃっと済ませるのではなく、1日1度はきっちり汚れを落とし切ることに重点を置いてください。夜しっかり磨くなら、朝はささっと磨き、昼はフロスで隙間を掃除してゆすぐだけ、でもいい。私自身、鏡と睨めっこして、いつもここに磨き残しがあるからと意識しながらブラシを歯に当てています。就寝中は最もリスクが高いので、基本的には夜のケアをしっかり行ってください」 歯磨き粉もブラシと同様、好みや必要に応じて試してみて。自分に合ったグッズをいろいろ取り入れて、オーラルケアを楽しむことが大事。
歯ブラシのヘッドは親指の爪の長さが基準。 磨きやすい歯ブラシを選ぶときにまず注目すべきは、ヘッド。大きさは自分の親指の爪を基準にして。女性はコンパクトサイズになることが多い。
毛の並びの列も実は、磨きやすさに関係が。 ヘッドをよく見ると、毛の並びにも種類が。4列もあるが、右のような3列、左のコンパクトはヘッドが小さく、小回りが利いて磨きやすい。
毛先はスタンダードな直線型が間違いなし。 先端が細かったり、太さが異なる毛を組み合わせたタイプもあるが、まずは直線型を。ブラシは鉛筆のように持ち、1本ずつ丁寧に動かして。
知らないうちに陥っている、オーラルフレイルに注意!
「年齢を重ねると、口の筋力も落ちるんです。口を閉じる、飲み込む時に舌で押さえるなど、いろいろな筋肉を総動員することで食べ物を噛んで塊にして飲み込める。筋力が衰えると食べ物をしっかりこねることができなくなって、飲み込む力が落ちるというのが、いわゆるオーラルフレイルという危険な状態です」 対策としては、とにかく口の筋肉を動かすこと。その点では、実はおしゃべりをすることも効果的。 もう一つ、日常的に取り入れやすいのが、グミ。硬さを示すチャート入りの商品があるので、自分の噛む力がどのくらいか客観視できる。たとえば、標準の3を噛んで疲れるようなら顎の力が弱っているので、より軟らかなものから試して噛む力をつけるようにして。おやつの時間を利用して手軽に口のトレーニングができる。 「顎を使うことはすごく大事。グミを噛むほかに、汚れを取るという目的と口の筋肉を鍛える、という両側から私はうがいを提唱しています(下のイラスト)。うがいは舌で水を狙ったところに当てるのが案外大変。以前この方法を試した方から二重顎が解消されたというお声も。口の中の筋肉を使うので、もちろんフレイルにも効果がありますよ」 【check】 □ 食事の際にむせる □ 食べこぼしが増えた □ 口の中が乾く □ 滑舌が悪くなった