「37年前『写真パクリ騒動』を起こした画家に私を裁く資格はあるのか」日本画の最高峰画壇「院展」から“盗作疑惑”をかけられた元理事の怒り
日本美術院の「閉鎖的体質」
藝大関係者は、このようなトラブルが起きた背景には日本美術院の閉鎖的な体質があると指摘する。 「もともと権威主義的な組織なのです。藝大至上主義で同人に選ばれる人も藝大出身者が圧倒的に多い。絵の上手い下手よりも偉い先生に気に入ってもらい、いかに引き立てられるかが重要となってくる。創設者の岡倉天心先生、横山大観先生、そして平山郁夫先生といったカリスマ的指導者のもと、こうした閉鎖的体質が醸成されてきた。だから今も理事会を牛耳る一部の理事たちによって、重要な決定が十分な審議が行われないまま下されてしまうのです。画家にとっては盗作画家のレッテルを貼られることは命を奪われるにも等しい処分。もっと慎重に審議すべき議案だったはずです」 少なくとも下田氏を倫理委員会に参加させるべきではなかったのではないか。下田氏本人に見解を尋ねたが回答はなかった。 日本美術院と國司氏は「係争中につき取材には答えられない」としている。 前編【日本画の最高峰「院展」元理事が告発「理事会に“盗作作家”の濡れ衣を着せられた」「偶然構図が似ただけなのに」】では、問題となった梅原氏の作品と元になったと疑われた國司氏の作品との比較、問題が発覚してから裁判に発展するまでの経緯について詳しく報じている。
デイリー新潮編集部
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