皇室とディズニーリゾートの知られざる深い縁 「昭和天皇」から「愛子さま」までご訪問に
ディズニーと皇室の関係
2001年、海を舞台にした世界初のディズニーテーマパークとして誕生した東京ディズニーシーに今春、「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」などをメインに据えた新エリア「ファンタジースプリングス」がオープンして、人気を博している。 【写真特集】愛子さまの歩みを写真で振り返る
同じ年に誕生し、今春、社会人となられた天皇家の長女・愛子さまが2006年、最初に訪れたディズニーリゾートもシーだった。今回は、あまり知られていないディズニーと皇室の意外な関係をひも解いてみたい。 ディズニーシーへは、天皇ご一家(当時・皇太子ご一家)での訪問となり、ミッキーマウスとミニーマウス、「アラジン」のプリンセス・ジャスミンらから出迎えを受けた。幼稚園入園直前だった愛子さまは人見知りしたのか、やや引き気味のご様子だった。 愛娘である“プリンセス”に「普通の子どもと同じ体験をさせてあげたい」とのご両親の意向から、愛子さまのディズニー見学は実現した。ここではマーメイドラグーンシアターなどを鑑賞されている。 大ヒットしたディズニー映画「シュガー・ラッシュ」には人気のディズニーキャラクターが集まる「プリンセスの部屋」が登場し、「リトル・マーメイド」のアリエルやアナ雪のアナとエルサ姉妹、ラプンツェル、ジャスミン、白雪姫、シンデレラ、ディズニー初のポリネシアン系プリンセスとして人気が高い「モアナと伝説の海」のモアナなど、プリンセス14人が勢揃いしている。海底王国のプリンセスとして苦悩を抱えて生きるアリエルを描いた歌やダンスのショーを、幼い日本のプリンセスは同シアターでご覧になって、何を感じたのだろうか。
イメージ向上のため
この年の9月に天皇陛下と愛子さまは、ご一家で東京・木場公園の東京都現代美術館を訪れ、同館で開催されていた「ディズニー・アート展」を見学された。2012年4月には、東京・目白の学習院創立百周年記念会館で開かれた「オール学習院大合同演奏会」で天皇陛下は、学習院OB管弦楽団のビオラ演奏を担当され、愛子さまは客席でディズニー映画のメドレー曲に聞き入っている。 実は、ディズニーリゾートと皇室はとても縁が深い。1960年9月に上皇上皇后両陛下(当時皇太子夫妻)が日米修好100年を記念して訪米。ウォルト・ディズニー夫妻の案内でカリフォルニア州アナハイム(ロサンゼルス近郊)にあるディズニーランドでのひとときを楽しまれている。 この米国公式訪問から15年後の1975年、昭和天皇は歴代天皇として初めて米国を公式訪問。訪米の4年前には、昭和天皇が訪欧してベルギーで生卵を投げつけられたり英国の新聞に軍国主義を連想させる漫画が載せられたりするなど、友好的とは言い難いムードが漂った経緯があったことから、日本政府は昭和天皇のイメージが向上するような立ち寄り先を慎重に選んだ。 その結果、「暴力と悪のイメージが結びつきやすいハリウッドではなく、子供の世界であり、幸せや喜びを連想させるディズニーランドの方が圧倒的に良い」と判断して、昭和天皇と香淳皇后は貸し切りではなく一般入園者もいる状態でロス近郊のディズニーランドを訪れることになった。 そして上皇上皇后両陛下がディズニーランドを訪問された年に生まれた天皇陛下も、公式訪米ではないものの、ロス近郊のディズニーランドに足を向けられている。 1982年10月、昭和天皇の孫・浩宮として国際親善のためブラジルを訪問。帰路にメキシコと米国に寄られた際、ロス近郊のディズニーランドでミッキーとミニーから大歓迎を受けている。ミニーから歓迎のキスを受けて笑顔を見せる姿が写真に残されており、当時は学習院大の大学院生で翌年からの英国留学に向けて準備をしている時期だった。