戦争で兄を亡くしたウクライナ兵 実話を人気の“漫画”に……日本の美大生の挑戦『every.16時特集』
■キャラクター“表情”にこだわるワケ
福原さん 「私はキャラクターの表情を描くのをすごくこだわっていて」 例えば、兄・イリヤが家族を守るために戦地へ行くと、決意するシーン。 福原さん 「イリヤは彼本人の熱と勢いが伝わるように顔をアップに描いて、ナザールの方はまだちょっと意志が固まっていなくて、気持ちがゆらゆらしているところなので、ちょっと小さめに描いたりとかしましたね」 キャラクターの個性や感情などを表現するために、大事な「表情」。そこにこだわるのには、もう1つの理由があります。 福原さん 「言語って国によって違うけれど、気持ちは全世界共通なので」
■思いを込めた漫画 日本からウクライナへ
将来、この漫画がウクライナに渡った時に、まだ字が読めない子どもにも絵を見て内容を理解できるように描きたいといいます。今年7月、ウクライナフェスで初めて対面した、福原さんとナザールさん。 主人公のモデル ナザール・グラバーさん(32) 「日本語で描かれた漫画を読ませてもらいました。日本語が分からなくても表情や描き方で意味が伝わってきました」 文字は分からなくても、確実に、福原さんの思いは届いています。 福原さん 「ナザールさんたちと一緒に話すことで、今後もっとリアリティーとか、その魅力的なキャラクターの描写に力を入れて描いていこうと思いました」
■漫画で伝えたい「前を向いて希望を」
福原さん 「急に戦争に巻き込まれた主人公が、自分なりの希望を見出していくっていう漫画なんで、この漫画を読んだ子どもたちにはその主人公の姿を通して、同じように元気になってくれたらいいなと思います」 いつの日か前を向いて、希望をたぐり寄せてほしい…そんな願いを込めて。 (10月24日『news every.』16時特集より)