真壁城調査で階段跡 9日に現地説明会 桜川市教委 茨城
茨城県桜川市教育委員会は31日、同市真壁町古城の国史跡・真壁城跡の本年度発掘調査の成果を発表した。建物跡の裏口から堀へと降りるような階段跡が見つかり、市教委は「堀の管理をしたか、(もしくは)船着き場も考えられる」と説明。城内で効率的に荷物を運ぶため、堀に小舟を出して行き来した可能性があるという。 真壁城は1500年代後半に築城された真壁氏の居城。12.5ヘクタールが国史跡となっている。発掘調査は1997年に開始し、近年は三の丸に当たる「中城」の庭園跡を調査。酒杯や茶道具が出土し、当時の勢力争いの中で城主が立ち回るための外交の場だったと考えられている。 本年度は中城の約500平方メートルを調査。階段跡は竪穴状の遺構とつながる堀の斜面から見つかった。遺構は階段付きの建物跡であることが判明。近くに土塁や十字路も発見されたことから、庭園周囲を監視する守備兵の詰め所だった可能性が考えられるという。市教委文化財課の越田真太郎係長(49)は「日常は(堀の)管理をしていて、いざというときは守りを固めるエリアなのではないか」と説明した。 調査は本年度で終了し、来年度からは史跡公園としての整備を本格化させる。市教委は9日に一般向けの現地説明会を開く。午前10時半と午後1時半の2回開催。参加特典として御城印を配布する。同課(電)0296(58)5111。
茨城新聞社