「お友達は持ってるよ」子どものスマホ、何歳から? 進む低年齢化に不安、遅すぎても…
「ねぇ~小学生になったらスマホ買ってよ~」。この春小学校に入学した記者の娘(6)がしつこくおねだりしてくる。理由を聞くと「だってお友達は持ってるよ」。民間調査によると、子どもがスマートフォンの所有を始める時期は低年齢化しているという。適齢は? ルール作りは? ネットやゲーム依存の回復支援施設「やどりぎ」(福岡市)に聞いた。 【画像】スマホのルール作りの注意点 「スマホは何歳からOKという明確な決まりはなく、子どもの発達や環境次第です」。臨床心理士の中野光里さん(30)はスマホを与えるタイミングについて、子どもが親と一緒にルールを決められるかどうかが大切だと強調する。 小学校低学年なら親が決めたルールでも従うが、高学年になれば自分の意見が入っていないと納得できない。まだルールの話し合いができない年齢だと思えば持たせるべきではないと指摘する。 ルールは2~3個に絞る。内容は複雑にせず、時間制限(入浴前まで、宿題の終了後など)▽場所(リビングはOK、自室や塾は禁止など)▽アプリの制限-などを決める。年齢や環境の変化に応じて見直す。 親はスマホ使用の目的や理由をきちんと把握し、ネットの炎上やゲームの課金といったリスクへの対策を徹底する。例えばSNSを使いたいと言うなら「内容を時々見せて」「自分の顔や家の写真は上げない」「パパとママがフォロワーになる」と取り決める。子どもの使用状況を親が制御できる「ペアレントコントロール機能」の活用もお勧めだ。 ルール設定では「テストで100点取れば使用時間を増やしてあげる」などと交換条件を出すことは避ける。もし条件を達成しても親が約束を守らないと、子どものやる気は「頑張っても無駄だ」と低下する恐れがあるからだ。 スマホのデビューを引き延ばしすぎるのも一考したい。小中高校の段階で親に管理されてスマホを使うことで「自制や我慢の練習になる」と中野さん。大学生で1人暮らしを始めてから解禁されると、過剰使用に陥る可能性もある。 適正な使用時間について施設長の龍卓士さん(43)は「大切なのは時間の長短ではなく、日常・学校生活への悪影響を見極めること」と説明。朝起きられない▽宿題をやらない▽部活動に参加しない▽体調の悪化▽怒りっぽくなるような精神的な不調-などの変化があれば、使用時間を短くする工夫が必要だと訴える。 (梅本邦明)