「W杯優勝」が野望「習近平」の面目丸つぶれ…腐敗する「中国サッカー界」八百長、賭博、汚職で34人が懲役刑、元代表は永久追放
トラもハエも叩く
中国の場合、国家的なプロジェクトに資金を投入すればするほど、その金を狙って魑魅魍魎が暗躍するという傾向がある。目先の利益に惑わされ、未来に向けて、地道に競技者を育てるよりも自身の利益を考えるという傾向が指導者になればなるほど顕著になっている。 それは、習氏が2012年に党総書記に就任後、直ちに打ち出した「トラもハエも叩く」という党内の腐敗撲滅キャンペーンを発動しながら、すでに12年以上たったいまも、党政府高官が多数逮捕されていることを見れば一目瞭然だ。 構造的な問題を抱えている中国サッカー界について、前出のバイヤー氏は「最高レベルでの成功や失敗に焦点を当てると、方向感覚を失ってしまう可能性がある。まずはU-17W杯への出場を現実的な目標とすべきだ。より多くのリソース(資源と財源)と注目を、若い選手に向けることで目標はより現実的にものとなっていくだろう」と指摘している。 相馬勝(そうま・まさる) 1956年生まれ。東京外国語大学中国語科卒。産経新聞社に入社後は主に外信部で中国報道に携わり、香港支局長も務めた。2010年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『習近平の「反日」作戦』『中国共産党に消された人々』(第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)など。 デイリー新潮編集部
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