日本に「韓国人様のためのリゾート」…韓国資本が虎視眈々と狙うニセコの「韓国化」
今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。 【写真】習近平の第一夫人「彭麗媛」(ポン・リーユアン)の美貌とファッション *『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第14回 『「ここは日本であって日本ではない…」外国資本がカネの力で「乗っ取った」日本の伝統的な街並み』より続く
香港系企業による再開発
ニセコグラン・ヒラフスキー場前の一等地には、高級コンドミニアムの「スカイニセコ」、建て替え計画もあるとされる東急不動産グループによる「ホテルニセコアルペン」がある。 香港系の不動産開発会社「ヒラフキャピタル合同会社」による高級ホテルの「山翠ニセコ」(客室53室)は、2021年シーズンに開業予定だ。スキーを履いたままホテル前からゲレンデに出られる「スキーイン・スキーアウト」が可能な好立地にある。 投資家に部屋を分譲するホテルコンドミニアムではなく、ヒラフキャピタルが開業後もホテルを所有し、自ら運営するという。 別の高級コンドミニアムの「木ニセコ」は、温泉、レストラン、客室96室を備えた一棟建てだ。ほぼすべてが外国人所有であるが、一部がリセール(再販)されており、羊蹄山を望むジャグジー付きのペントハウスが6億円、一般的な部屋でも1億円を超える価格で売買されている。
参入する韓国財閥
この木ニセコとスカイニセコの間にある超一等地には、かつて東急不動産グループが所有していた「ニセコ高原ホテル」があったが、外資系ファンドに売却され、長らく更地となっていた。 しかし現在、韓国の財閥であるハンファグループによる高級コンドミニアムの建設計画が始動しており、温泉調査のための掘削機が立てられている。北海道新聞(2020年5月30日)によると、高級コンドミニアムは地上7階地下2階で100室規模となり、スキーイン・スキーアウトが可能となる予定だ。 韓国大手企業がニセコで大型開発を計画するのは初めてになるという。 『「中国本土の投資家」が仕掛けるニセコ再開発…その「規格外な現状」と「隠された目的」』へ続く
高橋 克英(金融アナリスト)