カフェは“工事現場”店内に道具や建材 職人の魅力アピールのため建設会社が新事業
建設会社が一風変わったカフェを運営し、人気となっています。異業種の経営に乗り出した背景には、業界が抱える悩みがありました。 【画像】カフェラテに「ご安全に」 カレーライスはシャベル型の皿で 工事現場にこだわるカフェ
■「日本一落ち着く工事現場」 店内に作業音も
スカイツリーが見える東京・墨田区のカフェ。多くの客でにぎわう店内には、なぜか工具やフェンス、建設現場でよく見る足場があります。 このカフェを運営しているのは建設会社で、その名も「現場喫茶」。目指したのは「日本一落ち着く工事現場」です。 現場喫茶 今井千聖店長 「工事現場でも使われる投光器っていうライトで、オレンジっぽく点灯するものを選んで。落ち着く空間というところを重視してます」 モニターに流れているのは、この建設会社が実際に工事をしている時の様子です。 利用客 「作業風景が流れているんですけど。無音でも音楽でもなく、作業の色々な音がするのが、割と集中できたりする」 こだわったのは、内装だけではありません。料理や飲み物も現場愛にあふれたものでした。
■建設業の倒産件数 過去10年で最多ペース
実際に建設現場で使われている道具や建材を展示することで、会社のショールームも兼ねています。 利用客 「(カフェの)隣は建設(会社)の事務所なんで。大規模修繕で、相談させていただいて。その関係でここを知って」 「結構コンセプトがあって面白いなと」 「シャベルみた~い」 現場へのこだわりは、メニューにも。ラテアートの「ご安全に」とは作業員同士のあいさつです。カレーライスはシャベル型の皿で提供するなど、細かい部分まで現場愛にあふれています。 今井店長 「お子様が遊べるような働く車のおもちゃですね。工事の絵本だったり、遊べるものも用意してます」 建設業界は今、苦境に立たされています。人手不足や資材の高騰で、倒産件数は過去10年で最多を更新するペースです。 帝国データバンクによると、建設現場では深刻な職人不足に陥っていて、およそ7割の企業が人手不足を訴えています。 この現場喫茶を通じて、「3K」と呼ばれる負のイメージを払拭し、建設業の魅力を感じてほしいと話します。 高橋工業 菊池和貴本部長 「『職人って実はかっこいいんだよ』と。工事って魅力的なんだと伝わるような、建築業界っていいねと言ってもらえるような、きっかけになればいいなと思っています」 (「グッド!モーニング」2024年11月4日放送分より)
テレビ朝日