今年、最も世界を騒がせた男はこうやって生まれた!映画『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』は…生臭くて壮大な人間ドラマだった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
今年というか、もう最近ずっとなんですが、特に来年の世界情勢に大きく影響を与えるとみられ、世界中の注目を集めていた元45代、次期47代アメリカ大統領であるドナルド・トランプ氏。 【予告動画】映画『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』 2025年は、もっともっと世間を騒がせ、注目を集めていくこととなるでしょう。 そんな中、年明け早々公開されるのが、トランプ氏の半生を描いた映画『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』 制作陣の嗅覚…! 映画なんておいそれと作れるものではなく、時間も膨大にかかるのですが、このタイミングで、きちんと完成したものを世の中に出せる見事な予見と立ち回りです。 選挙があろうがなかろうが、トランプが勝とうが負けようがいずれは世に出したのでしょうが、それにしてもこの時期にこのコンテンツというカードが手元にあったのはやはり凄い。 ストーリーも虚実織り交ぜられているのでしょうが、視点の置き方が素晴らしく政治的な思想に偏った描写や、トランプ氏への偏見などが一切感じられず、ただ記録に残る出来事を軸に、そこで起こったであろう人間ドラマとして描かれています。 これもハリウッドの凄いところだと思うのですが、実在の人物を描く際に、容姿や仕草、ファッションなど、ビリー・ビーンしかりマーク・ザッカーバーグ、フレディー・マーキュリー、誰もが頭の中に持つ強いイメージを徹底的に再現しつつ、モノマネではなく、きちんと一人の人間として演じさせるクオリティ。 最終的には、2人の男の友情や出会い、決別や再会などトランプどうこうを一度忘れ、誰もが人生をふりかえることができるようなヒューマンドラマに仕上がっていました。 「世界を動かしているのも、一人の人間」、これがこの作品の一番大きなメッセージなんじゃないかな。 新しい年と時代の始まりに、見逃せない一作でした。皆様、是非劇場へ!
黒田勇樹(くろだ・ゆうき) 1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。 主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。 2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。 現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。