くら寿司がハレの日向け新メニュー 回転レーンでパレード演出 「たまのぜいたく」に対応
回転ずし大手のくら寿司は14日、業界大手で唯一採用する回転レーンを活用し、東京と大阪の一部店舗で記念日など「ハレの日」向けの新サービスを16日に始めると発表した。節約志向が広がる半面、たまのぜいたくで生活に潤いをもたらす「メリハリ消費」の需要増に対応。回転レーンが持つ娯楽性を武器に利用客増を狙う。 新サービスでは車エビやマグロ、ホタテなどをぜいたくに使ったちらしずしや、果物5種入りのホールケーキなど特別メニュー3品(800~千円)を用意。注文すると音楽に合わせ、電飾で彩ったオブジェとメッセージ映像が流れる小型モニター、特別メニューが回転レーンに並んで客席へと届く。「レーンに乗ってパレードが現れるような楽しさにこだわった」(広報)という。 16日からの土日祝日限定で東京都内と大阪市内の計10店舗で導入。2025年大阪・関西万博が開幕する来春に合わせ、現在約550ある国内全店に広げる。 サービス導入の背景に節約志向による「外食控え」がある。同社広報によると、全体の売上高は好調だが、地方の客数が伸び悩んでいる。 リクルートの研究機関が1月、20~69歳の男女計約9600人を対象に実施した調査によると、節約を意識する出費のうち「外食費」は3番目に多く、外食の節約法で最も多かったのは「回数を減らす」(77・3%)だった。 一方、たまのぜいたくの出費も「外食」が55・2%と最多。食事シーンでのメリハリ消費が顕著となる中、「外食ならではの楽しさを業界唯一となった回転レーンで実現し、来店につなげたい」(広報)としている。(田村慶子)