伝統しけ絹、手帳に変身 松井機業(富山県南砺市城端)がコクヨとコラボ、襖用在庫活用し環境に配慮
富山県南砺市城端の絹織物業「松井機業」は、文具大手のコクヨとコラボレーションした手帳「しけ絹手帖(てちょう)」を商品化した。伝統のしけ絹を表紙に用い、絹が持つ美しい風合いと機能性を兼ね備えたサステナブル(持続可能)な手帳となっている。 松井機業は1877(明治10)年の創業以来、高級襖(ふすま)に使うしけ絹を製造・販売してきた。しかし、少しでも染みや傷があると使えず、在庫となって倉庫に眠っていたものが大量にあった。 何らかの形で活用できないかと松井紀子社長(39)が、創業者の故黒田善太郎さんが富山市出身で、富山にゆかりのあるコクヨに相談。伝統の技を生かし、環境に優しい取り組みに賛同を得た。 手帳には「中茶(ちゅうちゃ)」と呼ばれ、富山の襖でよく用いられるレモンイエローに近い色合いに染められた絹を活用した。A5変形判192ページ。1~12のインデックス付きで2200円。スケジュール管理アプリ「KAKIKOカレンダー」を活用することで、手帳サイズにカレンダーを縮小印刷し手帳に貼ることもできる。表紙の裏にはしけ絹の説明も記した。
松井機業のオリジナルブランド「JOHANAS(ヨハナス)」のオンラインストアで扱っている。 松井社長は「箔(はく)押しのフォントもかわいく、さすがのデザイン力。手触りも良く、使いながらしけ絹の魅力を感じてもらえると思う」と話している。