【イベントレポート】「MIRRORLIAR FILMS」監督・浅野忠信、アイデアの源は「SHOGUN 将軍」撮影時に誕生
オムニバス映画「MIRRORLIAR FILMS Season6」の先行上映イベント「MIRRORLIAR FILMS AKITA文化祭」が11月16日に秋田・AL☆VEシアター supported by 109シネマズで開催。本作に携わった阿部進之介、山田孝之、小栗旬、浅野忠信が登壇した。 【画像】一般公募枠の監督たちもイベントに登壇 クリエイターの育成発掘を目的として伊藤主税、阿部、山田らが発足した短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」。Season6では秋田県秋田市を拠点に、地方創生やシティプロモーション事業として官民一体となる実行委員会が組まれた。 「MIRRORLIAR FILMS Season6」の1編「男と鳥」を監督した浅野は、ドラマ「SHOGUN 将軍」で共演した阿部からの誘いで参加したと述懐。そして「男と鳥」に登場するキャラクター・ゾンビ侍については「『SHOGUN 将軍』の撮影をしているときに、阿部くんと『もし続編があったら死んでしまったキャラクターはどうなるんだろうね?』といった話をしたんです。それでゾンビ侍として出てきたらいいんじゃないかと言って」と事の発端を説明し、そのアイデアが今作につながったと語る。また浅野が阿部の演じた鳥男の誕生経緯を「コマ撮りをしていて楽しいのは、やっぱり飛んでいるシーンなんですよね。これは鳥だと思って、阿部くんにテストで飛んでもらったらすごくうまくて……(笑)」と述べると、阿部も「浅野さんの自宅で何度も飛びましたよね」と振り返った。 小栗旬へ監督のオファーを掛けたというプロデューサー・山田孝之は「『シュアリー・サムデイ』を監督して以来で、次いつ監督するんだろう?という気持ちがあったので」とコメント。トークでは打ち合わせ中に“父親あるある”の話が出たことをきっかけに、現実逃避するサラリーマンの物語に着地したという経緯も語られた。また主演・藤森慎吾はファーストカットの歩くシーンで手足が一緒に出てしまうくらい緊張していたが、そのあとすぐに感覚をつかんで素晴らしい演技をしていたというエピソードも。 改めて「MIRRORLIAR FILMS」プロジェクトの立ち上げに関して改めて尋ねられたプロデューサー・山田は「一歩踏み出すときには勇気がいるし不安もありますが、まずはやってみるということの大事さを伝えたいということが根幹にあります」と回答。キャストとプロデューサーを兼任した阿部は、一般公募枠の作品選定について「応募いただいた作品を1本1本すべて観たうえで面白かった作品をシンプルに選んでいますが、みんなの心に残った作品が選出されていると思います」と説明する。 本イベントには「MIRRORLIAR FILMS Season6」の公募枠から「サン・アンド・ムーン」の監督・岡本多緒、「FAAAWWW!!!」の監督・鬼木幸治、「カフネの祈り」の監督・増田彩来も参加。岡本は「アメリカをベースに俳優として10年ぐらい活動していました。この作品は日本に帰って来て、最初は自分の宣伝素材として撮ったものだったんです。ワンシチュエーションですごくシンプルに撮ったので、ほかの作品と並べていただくとアマチュア感が出るんじゃないかと不安もありますが、いろんなことを考えずにそのままストレートに出した感じです」と率直に語った。また鬼木は「この作品は腕組みしてじっと観るような作品ではないので、力を抜いて楽しんでいただけたらうれしいです。僕は短編作品をたくさん作っているのでいつも通りに作った作品ではありますが、こういった機会がいただけてうれしいです」と、増田は「私が初めて監督した作品ですが、自分が生きていくうえで大切にしていきたいことや忘れたくないこと。そういうものを詰め込んだ、この先の道標になっていくような作品だと思っています。作品を観てくださった方にとってもそういう光になれたらうれしいなと思い、願いながら、祈りながら、作った作品です」と思いを口にする。 最後に「カフネの祈り」の主演・伊礼姫奈が「『MIRRORLIAR FILMS Season6』の雰囲気の違う5作品を観て、ちゃんと全部楽しめて記憶に残りました。心がワクワクする、こういう映画の形って素敵だなと思っています」と話し、イベントを締めくくった。なお本イベントではササハラハヤトが監督し、秋田市の学生たちが制作に参加した短編「ボクと鹿」も上映された。 「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ) Season6」は、12月13日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で2週間限定上映。 (c)2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT