村上春樹「高校時代にこういう音楽をラジオでずっと聴いていた」と語るインストルメンタル楽曲は?
<収録中のつぶやき>
高校時代にこういう音楽をよく聴いていたんだよな。ラジオでずっと聴いていた。そのころのラジオはいい音楽をかけていたんだよ(笑)。
◆Bar-Kays「Humpin'」 ◆Bar-Kays「In The Hole」
次はバーケイズです。バーケイズはもともと「River Arrows」というアマチュア・バンドで、メンバーのうちの何人かはメンフィスの床屋で働いていました。その床屋はスタックス・レコードのスタジオの近所にありまして、オーティス・レディングがたまたまそこをひいきにしていました。 その若者たちがバンド活動をしていることを知っていたオーティスは、一度スタジオに遊びに来いよと誘いまして、そこで彼らの演奏が水準の高いものであることを知り、「じゃあ、MG'sに次ぐハウスバンドに仕立てようじゃないか」ということになりました。そしてバンド名をバーケイズと改めた彼らのオリジナル曲「ソウル・フィンガー」は予想外の大ヒットとなりました。 続けて聴いてください。「Humpin'」と「In The Hole」。 オーティス・レディングは、彼らを前座兼バックバンドとして伴って全米ツアーに出たのですが、不運にも移動中の自家用飛行機が墜落し、オーティス自身も、バーケイズの4人のメンバーも、帰らぬ若者たちとなってしまいました。でも運良く生き残った2人のメンバーは、ショックから立ち直ると、新たにメンバーを加えてバーケイズを再結成しました。 そして1970年に事実上解散状態となったMG'sのあとを継いで、スタックスのハウスバンドのような位置につくことになります。メンバーがオール黒人のバーケイズは、人種混合だったMG'sに比べると、ずっとファンキーでアグレッシブで、のちにボーカルを加えて、「ブラック・ロック」や「ファンキー」と呼ばれる音楽に近いものになっていきます。 (TOKYO FM「村上RADIO~ソウル・インストルメンタル・グループ~」2024年8月25日(日)放送より)