パラマウント取締役会がCEO解任を検討、売却交渉のさなか-関係者
(ブルームバーグ): 米メディア大手パラマウント・グローバルの取締役会は、ボブ・バキッシュ最高経営責任者(CEO)の解任を検討している。事情に詳しい関係者1人が明らかにしたもので、会社売却を検討する間、最高幹部から成る委員会の下に同社を置く案について協議している。
この委員会には、映画部門責任者のブライアン・ロビンズ氏、ショータイム/MTV責任者のクリス・マッカーシー氏、CBSを率いるジョージ・チークス氏の3人が参加する予定。取締役で元オラクル社長のチャールズ・フィリップス氏が筆頭独立取締役となる。同関係者が匿名を条件に明らかにした。
同関係者によれば、バキッシュ氏は29日に行われる決算説明会向けにメッセージを録音する可能性があるが、質問には応じないという。
協議について26日に先に報じたウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、この委員会は暫定ベースで運営される。バキッシュ氏の今後については決定されておらず、取締役会が同氏を残留させる可能性もある。
パラマウントはコメントを控えた。
CBSやMTVなどの親会社であるパラマウントは、会長のシャリー・レッドストーン氏の一族が持ち株会社ナショナル・アミューズメンツを通じて支配している。このためバキッシュ氏の解任にはレッドストーン氏の同意が必要になる。レッドストーン氏とパラマウントは、支配権の売却でデービッド・エリソン氏率いる映画・テレビ製作会社スカイダンス・メディアと交渉中だが、独占交渉期間は5月3日に終了する見込み。
この件に詳しい複数の関係者によると、一部の取締役はバキッシュ氏の判断に失望している。それには、パラマウントのケーブルテレビチャンネルであるショータイムとBETに対するオファーを拒否したことも含まれる。これらを売却すれば、パラマウントの伝統的なテレビ業界へのエクスポージャーを減らし、負債削減につながるとみられていた。