<北朝鮮水害>幹部が率先して復旧作業の異変 処罰に戦々恐々 酒飲んで職務怠慢だと強制労働も
◆酒飲んだと強制労働させられる幹部も
韓国の国家情報院は9月4日、水害発生の責任を問われ、20~30人の幹部が銃殺された可能性があると発表した。その中には慈江道(チャガンド)の党トップの姜奉勳(カン・ボンフン)責任書記が含まれているという。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)郡の取材協力者B氏にこの情報を伝え、現状について尋ねたところ、次のように答えた。 「他の地域のことはよくわからないし、(復旧作業に関連して)幹部を銃殺したという情報は知らない。だが、茂山鉱山では職務怠慢とみなされた下級幹部が『革命化』の処罰を受けた」 「革命化」とは、組織の規律に違反した幹部に対する懲罰の一つで、一定期間、現場労働を強いられる。 「茂山鉱山の精鉱職場の細胞書記(末端の党組織の責任者)と職場長が、復旧動員の期間中に酒を飲んで任務をきちんと遂行せず、労働者を罵倒するようなことがあったとして、『革命化』2~3カ月の処罰を受けた。一般労働者と一緒に復旧工事の現場に行かされている」
◆ロシア産の小麦粉を配給
一方、肝心の茂山地区の復旧状況はどうなのだろうか? 「他の工事を全部中断させて、水害復旧に総動員しているが、10月10日までに終わらせるのは難しいと思う。茂山から 会寧(フェリョン)方面に向かう道路には、橋が崩れてまだ車が通れない所がある。臨時橋を作れと指示があったが、川に砂利を敷いただけだ。復旧作業に動員された人の無断離脱を徹底的に取り締まっている」 B氏によれば、茂山鉱山から動員された労働者には、8月にロシア産の小麦粉が一人当たり15キロ、他の工場でも10キロ以上が配給されたという。 「ロシアから食糧支援があったそうだ。おかげで飢えることはないが、副食や煮炊き用の薪も要るし、誰もがぎりぎりの暮らしだ」 なお、配給された小麦粉がロシアから無償支援されたものなのか、アジアプレスでは確認できていない。 ※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。