「母乳ちゃんと出てる?」“時代遅れの価値観”を押し付ける親世代にイライラする…上手にかわす方法とは
母乳とミルクのいいとこ取りで育てるっていうのはダメですか?
つい近くの人の意見は気になってしまうかもしれませんが、誰かの意見だけに惑わされず、なるべくいろんな人の話を聞くようにするといいでしょう。産院や小児科などかかりつけ医の先生に聞いてみるのもいいと思いますよ。 ストレスは溜まるかもしれませんが言われたら「そうですね~」なんてやんわりと受け流しつつ、あまりにも何回も言われたら、「母乳とミルクのいいとこ取りの両方で育てるっていうのはダメですかね?」と言ってしまいましょう。「ミルクによって夜、まとめて寝る時間が長くなると、睡眠の質の面を考えるといいですよね?」など、理論で説得していくんです。先ほどかかりつけ医の人に聞いてみるのも……と言いましたが、そこで先生から聞いたことを「かかりつけ医の先生も話してたんだけど……」と、“専門家の意見”として伝えるのも効果的だと思います。
親世代とのギャップは無理に埋めようとしない方がいい
やっぱり親世代とのギャップって無理に埋めようとしない方がいいと思うんです。親たちが育ててきた環境と、今の環境って全く違うじゃないですか。 その背景には、親たちにも、自分にも先ほどお話しした「アンコンシャス・バイアス」があり、そこで大きなギャップが生まれるのかもしれないです。「今はこうなっているんだよ」と話して納得してくれるようだったらいいですが、親御さんによっては自分の考えを曲げず、意見を受け入れてくれない人もいると思います。相手がそんな感じだと説得するのに疲れてしまうので、一応こちらの言い分は話しつつも、難しければ諦める。「変わらないんだな」と思って、もう相手が言ってくる意見も否定せずに聞き流す、真に受けないことができたら一番いいですよね。 そして、意見をくれた相手も悪気があるわけではないから、「(言ってくれて)ありがとう」と返したいところです。 産業医をやっていて日々本当に思うのが、やっぱりみなさん、こうあらねばならぬ、きちんとしていなければという意識がとても強いということ。 意識と言いながら、無意識なうちに、自分の行動を縛っているケースもあります。 これは、とても素晴らしい側面もありますが、行き過ぎると、自分で自分の首を絞めてしまうのではないかと思ってます。仕事も子育てもちゃんと頑張っていて、人からの指摘を真っ正面から受け止めて沈んでしまう人が多いんです。もちろん指摘を受け止めることはその人のいいところの一つですが、受け止めっぱなしで流せないままでいると、いつの日かつぶれてしまうかもしれない。自分の心をすり減らさないためにも、言われたアドバイスは半分聞いて、半分スルー、というか、あなたの心のデスクトップに仮置きしておいて、必要な時に取り出すくらいの受け流し方を身に付けるのも現代社会において必要なスキルだと思います。 それと一番忘れてはいけないのは、お子さんの親はあなただってこと。自分の両親でも、お義父さん、お義母さんでもありません。とやかく言われたって、子どものことを一番知っているのは結局親である2人。あなたとパートナーの2人で決めればそれでいいと思うんですよね。それに、今の時代でいいとされていることだって、この先どう変わっていくか分かりません。さまざまな人の意見を吸収しながら、その都度、自分たちも知識・情報を上書きして、その時代に合わせて自分たちで選んでいくしかないのかなと思います。