〈富山グラウジーズ・B2〉残り6秒、大逆転 信州に80―78
●ダビー不在もチーム結束 ●5120人熱狂、観客席のHC歓喜 バスケットボールB2・富山グラウジーズは9日、昨季B1同士の一戦で残り6秒、トーマス・ケネディ選手が3点シュートを沈めて大逆転勝利、5120人が詰め掛けた富山市総合体育館は興奮に包まれた。富山は信州ブレイブウォリアーズに80―78で勝利し、3連勝。ダビー・ゴメスヘッドコーチ(HC)が出場停止処分で不在の中、「ファミリー」が結束し、東地区2位に浮上した。 スタートからリードを許し、最大15点差をつけられた富山が最後の最後で食らい付いた。第4クオーター残り1分33秒で74―74の同点に追いつくと、そこからはシーソーゲームに。フリースローを決められて77―78と逆転されたが、残り6秒でケネディ選手が値千金の3点シュートを沈めて接戦を制した。 この日、ケネディ選手が放った3点シュートは9本。唯一決まったのが最後の1本だった。普段からシュート練習に1時間をかけてきた努力が実った。試合後にマイクを握ったケネディ選手は「きょうはサイコーです。皆さんのおかげで勝ちました」と日本語で絶叫した。 佐野公俊アシスタントコーチ(AC)は「5千人を超える大声援が力になって勝ち切れた」とファンの大きな後押しに感謝した。 コンディション不良が続いていた上田隼輔選手は今季初出場し、昨季まで2年連続B1得点王の信州ペリン・ビュフォード選手を抑えた。 ダビーHCから言われている「ディフェンスでエナジーを出してほしい」との言葉を胸に体を張ったプレーで「復活」を示した上田選手。「ダビーHCがいない中で巻き返せたのは自分たちの自信になった。チームは一つになっているので、あしたも勝って流れに乗りたい」と意気込んだ。 ダビーHCは観客席2階から試合を見守った。プレーに拍手したり頭を抱えたりしながらともに戦い、勝利の瞬間は跳びはねるように立ち上がって喜び「ファミリー」の奮闘をたたえた。 富山は10日、富山市総合体育館で信州と対戦する。