記者会見を行った（左から）政所椋、亀田興毅氏、花田颯

　「ボクシング・３１５０×ＬＵＳＨＢＯＭＵ　ｖｏｌ．２」（１０月１２日、愛知県国際展示場） 　ＩＢＦ世界ライトフライ級王者のシベナティ・ノンシンガ（南アフリカ）に２位の矢吹正道（ＬＵＳＨ　緑）が挑戦するタイトルマッチが行われる興行の追加カード発表記者会見が５日、大阪府内で行われた。政所椋（２４）＝ＫＷＯＲＬＤ３＝がスーパーフライ級８回戦で東洋太平洋フライ級９位・ＷＢＯアジアパシフィックスーパーフライ級１５位のアルビン・カミケ（フィリピン）と、花田颯（２２）＝同＝が東洋太平洋スーパーフライ級８位のデンマーク・ケビド（フィリピン）と対戦する。 　昨年１０月の以来の試合となる政所は、拳の負傷による手術明けの復帰戦。先日のフィリピン合宿ではマニー・パッキャオが主催するジムで同ジム所属選手とスパーリングを行った。 　「パッキャオさんのジムで世界クラスの選手達とスパーリングをしたことはいろいろと勉強になったし、自信にもなりました。パッキャオさんからは『気持ちが強くて良い選手だ』と褒めていただきましたが、『もっとステップワークを使わないといけない』とアドバイスもいただきました。今はステップワークの練習も取り入れています。パッキャオさんは飲み物に関して水しか飲んでいないそうで、日本に帰国してからは自分も飲み物は水だけにしました」と成果を報告した。 　カミケに対しては「ガンガン前に出てくるファイター。自分もファイターだけど、自分は距離も取れるし、自分の方が引き出しは多いと思う。打ち合って倒したい」と強気で、「今回の試合でアジアランカーを倒して、上位ランカー、チャンピオンと、どんどん上を目指していきます」と今後の目標を語った。 　７月の再起戦に勝利し、３カ月もたたずに次戦を迎える花田は「試合間隔が短いことはかえって良かった。前の試合のダメージもないし、前の試合で見つかった課題にすぐに取り組みながらスパーリングで修正していけるので」と前向き。デビュー２戦目で現役世界ランカーに挑むも８回ＴＫＯ負けし、４戦目でまたしても格上の東洋太平洋ランカー、サウスポーのケビドに挑むこと関しては「サウスポーは慣れているし嫌いじゃない。勝てればようやくランカーになれるし、絶対に倒して勝ちたい」と意気込みを語った。 　ケビド対策を問われると「兄でトレーナーの誠がサウスポーなので、仮想ケビドとして軽いスパーリングもしてもらっているし、サウスポーの弱点や攻め方もいろいろと教えてもらっているので心強い」と、双子の兄・誠トレーナーと対策を練っていることを説明。 　誠氏は「颯は高校の時から自分と２人でマスボクシングをしていたし、アマチュア時代もサウスポーとの試合が多かったのでサウスポーが得意。東洋太平洋ランカー撃破に向けて２人で頑張っていきたい」と、兄弟二人三脚でのランキング取りを誓った。 　プロモーターの亀田興毅氏は「日本のスーパーフライ級はバンタム級に負けないくらい熱い階級。政所選手と花田選手の他にもＷＢＣユース王者のＬＵＳＨジムの佐野選手やＫＷＯＲＬＤ３にも森脇選手がいるし、他のジムでもワタナベジムの横山選手や志成ジムの吉良選手も世界王者候補と言われている。２０代前半のハイレベルな若い選手の層が非常に厚い」と指摘。 　「今はバンタム級の主要４団体の王者が全て日本人の選手だし、昔は黄金のバンタムと言われていたけど、近い将来、黄金のスーパーフライと言われる時代が来るかもしれない。政所選手と花田選手には、このハイレベルな選手達の中でも試合を見た人から、この選手は強いと言われるようなアピールをしてもらいたい」と期待を込めた。