9月は世界小児がん啓発月間~脳腫瘍の後遺症と闘う中学生が起業 小児がんの子どもにギフトを~
小6で脳腫瘍を患った男の子 クラスメートの応援で病を乗り越える
三重県の中学生の男の子が脳腫瘍の後遺症と闘っています。掲げた目標は「病気を理由に逃げない」。男の子は、世界小児がん啓発月間の9月、小児がんと闘う子どもたちやその家族にギフトを届ける事業に初挑戦しています。 三重県菰野町の中学2年、橋本湊くん。2022年、小学6年のとき脳腫瘍の中でもまれな「混合性胚細胞腫瘍」と診断されました。 「常に吐き気が来て、それに伴って痛みが来ていました。だいぶしんどかった。楽ではなかったですね」(橋本湊くん) 地元の小学校を離れ、院内学級へ。小学校最後の年、大半を病院で過ごしましたが、小学校の仲間たちは手紙などで湊くんを励まし続けました。 湊くんは、腫瘍の摘出手術や抗がん剤による化学療法などの治療を乗り越え、2023年の3月に退院。念願だった、地元の小学校の卒業式にも参加。卒業証書を両手でしっかり受けとることができました。 教室に戻った湊くん。目には涙が… 「この日を目標に頑張ってきたので、登校できたうれしさと、みんなに会えたことと、いろんな思いで、いっぱいになって涙が出ちゃいましたね。将来病気で苦しんでいる人を助けられるお医者さんになりたい」(橋本湊くん)
後遺症に悩まされる日々 それでも…「病気を理由に逃げない」
2023年4月、湊くんは中学1年生に。がん治療を乗り越えた先にあったのは、後遺症でした。 積極的に授業に参加しますが、疲労感があるほか、汗がかけない、視野狭窄で見える範囲が他の人よりとても狭くなるなどの症状が出ていました。 「やっぱり勉強、数学とかで計算の仕方を教えてもらっても次の日復習のとき忘れているみたいなことはよくあるので、やっぱり覚えるのが大変ですね」(橋本湊くん) 湊くんが中学校に入って掲げた目標は、「病気を理由に逃げない」。教室に掲示された目標がいつも教室で見守っています。 「やっぱり病気やから、何かをしないとか何かができないじゃなくて病気でもそれでもできる。だけど、できるっていうのにしたいなって思って『病気でも逃げない』っていう目標にしました」(橋本湊くん)