【阪神】大山悠輔&原口文仁〝FA同時流出〟なら内野弱体化 セのライバル球団にもメリット
阪神・大山悠輔内野手(29)が13日に国内FA権を行使することを宣言した。虎の不動の4番には巨人などの他球団も獲得に興味を示しており、フロントは今オフ最大の正念場を迎えた。前日12日には原口文仁内野手(32)も国内FA権の行使を表明。万一にも〝同時流出〟すれば、新生・藤川虎の内野編成は一気に弱体化してしまうが…。 FAの申請期限となったこの日、兵庫・西宮市内で会見に臨んだ大山は「自分が他球団からどういうふうに評価されているのかを聞いてみたい。期限を決めず、自分が納得できる決断ができれば」と説明。〝移籍ありき〟の宣言ではないというが、心は大きく揺れているようだ。 そして、秋季キャンプ地の高知・安芸では藤川球児監督(44)が「(大山は)人生においても仲間であり友人。悩みもある中ですし、今はそっと見守ることが一番」と本人の意向を最大限尊重する姿勢を強調。編成のトップに当たる嶌村本部長は「ここからは他球団との交渉に入ってくると思うが、僕としては残ってくれると信じている。引き続き慰留に努めていく」と全力で残留交渉に臨む構えを示した。 プロ通算8年で打率2割6分8厘、137本塁打、551打点。長距離砲としてだけでなく本職の一、三塁に加え、左翼などの外野守備もそつなくこなせる器用さも兼ね備える。そのユーティリティーぶりはどの球団から見ても魅力的だろう。 中でも一塁守備はチーム内外から特に評価が高く、昨季は自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞。打球に対する反応の良さ、巧みなハンドリングで一塁への難しいワンバウンド送球なども捕球でき、内野陣からは「大山さんが一塁にいてくれるからこそ、思い切った送球ができている」と厚い信頼を寄せられている。 大山という絶対的な存在がいるからこそ、チーム内で一塁を守れる選手は原口や渡辺諒などごくわずか。その原口もFA権の行使を宣言したばかりだ。2人ともタテジマを脱ぐような事態に陥れば、虎の一塁は〝空白地帯〟となりかねない。 秋季キャンプは投打合計39人の大所帯で行われているが、一塁を専門に守る選手は一人もいない。右の大型外野手として将来を嘱望される井上がシートノックや紅白戦などで挑戦しているが、これらの動きも大山らが他球団へ流出するリスクを念頭に置いてのものだろう。 「阪神の戦力をそぐ」観点からみても、大山&原口の獲得はセ・ライバル球団にとってメリットが大きい〝妙手〟となり得る。さまざまな思惑が交錯するFA戦線の行方に今後も目が離せない。
東スポWEB