宝酒造「焼酎ハイボール」新展開 重点ブランド育成を徹底
宝酒造は、重点ブランドの育成を徹底する。なかでも「タカラ『焼酎ハイボール』」シリーズの新展開を加速させ、ユーザー層の拡大を目指す。このほど記者会見した村田謙二社長は「新たな価値を創造する商品開発とブランドの育成を進め、宝グループが掲げるビジョン『Smiles in Life ~笑顔は人生の宝~』の実現に貢献していく」と語った。 同社は重点ブランドに「タカラ『焼酎ハイボール』」「同『辛口ゼロボール』」「極上〈宝焼酎〉」「全量芋焼酎『一刻者』」「松竹梅白壁蔵『澪』」「全量芋焼酎『ISAINA』」「松竹梅『昴』」「タカラ本みりん」の8つを設定している。
「タカラ『焼酎ハイボール』」は年々販売数量が拡大中。23年度も1704万ケースと好調だった。 今期はユーザー層の拡大を目指す一環で、アルコール5%シリーズを拡充。3月に数量限定で発売した「特製コーラ割り」が好評だったことから、同様の限定フレーバー4品を順次発売する計画だ。酒税法改正でビール類の市場が変化する中、新ジャンルユーザーの取り込みも狙う。一方で高付加価値商品も強化。繁盛店の味を再現した「名店の味」や食品メーカー(岩下食品)とコラボした「共演の味」に手応えを得ており、秋に向けて第3弾を投入する。 「同『辛口ゼロボール』」は、食事に合う辛口のノンアルコールチューハイ。広告宣伝や大規模サンプリングで認知・飲用経験の拡大を図り、今期出荷は70万ケース(約9割増)を目指す。 「極上〈宝焼酎〉」は、中小容量(1・8L以下)を中心に若年層への提案を強化。飲食店や自宅で「お茶割り」が広がっていることに着目し、飲み方提案を充実させる。 「全量芋焼酎『一刻者』」では、より香り高い製品を造るため、新品種の芋を6年かけて開発した。洋菓子を想起させる贅沢で濃厚な甘い香りが特長。収穫量が限られるため、現状は「一刻者 甕オーナー」に限って提供。 スパークリング日本酒「松竹梅白壁蔵『澪』」は、国内外で需要開拓を推進。レギュラー品と「CLEAR」を定番に、海外の現地ニーズにあわせた専用商品の展開も始めた。 「全量芋焼酎『ISAINA』」と「松竹梅『昴』」の2シリーズは“香り”を楽しめる和酒として訴求。「香り系」の商品は、一般的な芋焼酎や日本酒に比べて20~40代の販売構成比が高いことから、和酒の売場でゾーニング展開し、若年層へのアピールを狙う。 「タカラ本みりん」は、広告ビジュアルを一新。京都の名料理人が認めた“お墨付き”のブランド価値を雑誌やSNSで積極的に発信していく。