新幹線も走る「エンタメ空間」を演出へ、JR東日本と松竹が提携[新聞ウォッチ]
エンターテインメント業界の雄であるソニーグループが、ホンダとタッグを組んで自動車ビジネスへの本格参入を狙うなど、クルマを走る□エンタメ空間□にする動きがみられるが、その発想が新幹線などの鉄道業界にも飛び火しているようだ。 JR東日本と松竹がめざす観光×エンタメのビジョン
JR東日本と松竹の両社が、映像コンテンツなどのエンターテインメント分野で業務提携すると発表。JR東が保有する地方の駅ナカや新幹線の車内で歌舞伎やアニメなどを楽しめるようにして、若年層や訪日観光客が手軽に日本の伝統文化に触れられる機会を提供し、新たな歌舞伎ファンや鉄道利用客の増加につなげる狙いという。
きょうの各紙にも「JR東と松竹が提携、新幹線内で歌舞伎映像」などと取り上げている。新幹線の車内で専用のゴーグルを着用すれば、旅行先と関連した歌舞伎を楽しめるほか、歌舞伎の演目を生かした旅行商品の開発にも取り組むという。例えば、読売によると、「忠臣蔵」にゆかりのある泉岳寺(東京都港区)や討ち入りのあった吉良邸跡(墨田区)などを巡ったうえで、忠臣蔵の演目を観劇するツアーを販売するそうだ。
また、JR東がKDDIと開発したオンライン会議システムを活用し、各地の駅へ歌舞伎を生中継し、若年層が伝統文化を味わえる機会を増やすとともに、「高輪ゲートウェイシティ」(東京)では、夜間に食事を楽しみながら歌舞伎を観劇できるサービスも共同で開発するとも伝えている。
昨今は鉄道もマイカーなども移動手段としての利用ばかりでなく□走るエンタメ□としての新たな価値創造を競い合っているようだが、車窓から四季折々の風景を眺める楽しみや睡眠不足の解消に仮眠するような利用客にはあまり縁がない異業種間の提携かも知れない。
2024年11月19日付
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