マルク・マルケス、空力デバイス全盛のMotoGPに”ノー!”「F1みたいなデバイスはいらないよ」
2015年にドゥカティがバイクに大きなウィングレットを搭載して以来、MotoGPは空力への依存度を高めており、最速のマシンを作る上で開発競争の重要な戦場となっている。 【ギャラリー】MotoGP2024セパンシェイクダウンテスト。新型マシン続々 すでにこうした流れは様々な方向から批判の対象となっているが、2月1日からセパンで3日間行なわれた2024年マシンのシェイクダウンテストでは、新たな空力デバイスを持ち込んだメーカーも多かった。 アプリリアはユニークな形状のテールカウルをテスト。ホンダは”ステゴサウルス”ウイングのアップデート版を試した。ドゥカティは、バイク側面に大きなダクトがついたフェアリングを搭載し走行していた。 レプソル・ホンダからグレシーニに移籍したマルク・マルケスは、シェイクダウンで目の当たりにした数々の空力デバイスに不満を持っており、F1のように空力を重視するのは、MotoGPにとってあまり正しいことではないと考えている。 「シェイクダウンの写真や新しいエアロダイナミクスを見ると、まるでF1のようだ」 「僕としては、そういうやり方は嫌いだけど、それが彼らのやり方だし、ルールもそれを認めている」 「毎回、空力的な方向にどんどん進んでいるのを見ると、個人的には好きじゃないよ。でも適応する必要がある」 空力デバイスの追求は、MotoGPの長所のひとつであったレースの質という面に悪影響を及ぼしている。よりオーバーテイクが難しくなっているのだ。 しかしそれでも、各メーカーはより高いパフォーマンスを得るために、より多く、より効果的な空力デバイスをバイクに搭載しようとしている。この分野で他をリードしているドゥカティが成功を収めた後はなおさらだ。 マルケスは、各メーカーがシャシーやエンジンなど他の部分の開発にリソースを割き、エアロダイナミクスから離れれば、MotoGPはより良いショーを見せることができると語った。 「空力によって妥協が生まれ、他のマシンを追うのもオーバーテイクするのも難しくなるんだ」 「これはF1で起こったことだ。MotoGPには、大集団で戦えるという利点があったが、今は空力重視になりつつある……」 「僕は空力よりもシャシーやタイヤ、エンジンの開発を優先したい」 「メインレースのショー的要素には影響するだろう。たとえコンマ3秒速かろうが遅かろうが関係ない。人々はオーバーテイクが見たいんだ」
Rachit Thukral