【苫小牧便り】冬毛が少ない!記録ずくめのミックスセールは上場馬の見た目の変化も好調の一因
冬の足音が聞こえる北海道がアツかったです。「ノーザンファームミックスセール2024」を取材しに、北海道苫小牧市のノーザンホースパークにやってきました。 ミックスセールの前身は19年に始まった繁殖牝馬セリ。22年からは当歳馬も上場されるようになり、現在のセリ形式となりました。当歳馬部門は過去2年とも落札率100%でしたが、まだセールの存在が購買者の方に浸透していなかったからか、お得感のあるセリという印象を持っていました(自分では絶対に買えませんが…)。 それが今年はどうでしょう。当歳馬部門の平均落札額6837万円も、落札総額35億5500万円も、最高落札額馬の金額も全て新記録をたたき出しました。これまでの最高落札額馬は8600万円(ダストアンドダイヤモンズの22)。“億超え”が出たことがなかったのに、上場52頭のうち10頭に1億円以上の値がつきました。上場番号1番のインカーヴィルの24(牡、父キズナ)はセリ開始の第一声が「1億円!」というかけ声。最終的に2億円に届き、皐月賞馬ジャスティンミラノの半弟マーゴットディドの24(牡、父キタサンブラック)にいたっては2億9000万円で競り落とされました。 3年連続のミックスセール取材。セリ開始前に上場馬の下見をしていて、過去2年に抱いたイメージが変わりました。冬毛のある馬が少ない-。 一昨年はぬいぐるみのようにもこもこした馬が多かったのですが、今年は洗練された姿でセリを待つ馬が多かったです。牧場関係者によると、離乳時期や管理方法にも工夫を凝らしたとのこと。セリ出身馬の競馬での活躍、血統レベルの高さでミックスセールの注目度が上がってきているのはもちろんですが、見栄えのいい子馬が多かったことも、積極的なセリ参加を呼び込んだ一因だと思っています。 セリ終了後、ノーザンファームの吉田俊介副代表は「G1馬の弟2頭など、魅力的な馬をそろえられたと思います。この時期の当歳馬の管理は難しさを感じながらやっていましたが、年々いい状態で送り出せている。スタッフの労力にも感謝したいです。セレクトセールで当歳馬を買っていただいていますが、まだノーザンファームの馬を購買したいというニーズを感じています。ミックスセールの上場馬の頭数を増やすことは使命。どんどん充実したセリになるように努力していきます」と総括しました。将来的には70~80頭ほどの当歳馬上場を目指すようです。 間近で見る子馬ってやっぱりかわいい。2年後には競馬場でたくましい走りが見られると思うと、わくわくします。写真をたくさん撮ったので、ぜひみなさんも癒やされてください。【松田直樹】