アポロとプライベート市場に黄金期到来か-CEOが財務長官就任なら
(ブルームバーグ): 米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントのマーク・ローワン最高経営責任者(CEO)が次期財務長官に就任すれば、自身が共同設立したアポロではリーダーシップにおいて全く新たな時代に突入するだろう。さらに、急成長しているアポロの事業分野であるプライベートクレジット市場に数兆ドルもの資金をもたらすかもしれない。
共同創業者のレオン・ブラック、ジョシュ・ハリス両氏が同社を去ってから約3年がたった今、アポロはローワン氏の手腕により、ディストレスト債務を多く扱ってきた資産運用会社から、企業向けプライベートクレジット事業を手掛ける融資会社へと変貌を遂げ、ウォール街の銀行に匹敵する存在となった。アポロの運用資産はローワン体制下で7330億ドル(約113兆円)まで膨れ上がり、株価は3倍超となった。
ローワン氏は先月の投資家説明会で、金融危機後のアポロの軌跡について「当社は実際にアップルやマイクロソフトなど考え得るほぼ全てのグロース企業よりも成長した」と述べた。
財務長官に選出されれば、ローワン氏はアポロを退き、34年の歴史の中で初めて創業者以外の人物がアポロのトップに就くことになる。
一方、ローワン氏はプライベート市場をより幅広い投資家に開放する権限を持つ職務に就く。これはアポロと1兆6000億ドルのプライベートクレジット市場の双方の成長を加速させる可能性がある。
プライベートクレジット市場は現在、より高いリターンを求める投資家を引きつけていると同時に透明性や複雑さを巡る問題にも直面している。
ローワン氏は財務長官の有力候補と目されている数人の中の1人で、20日にはトランプ次期米大統領と面接した。他の有力候補にはソロス・ファンド・マネジメント出身でヘッジファンド運営会社キー・スクエア・グループ創業者のスコット・ベッセント氏やケビン・ウォーシュ元連邦準備制度理事会(FRB)理事が上がっており、両氏もトランプ氏と面会している。