イスラエル、トランプ再選した日にレバノンを猛爆…30余人死亡
イスラエル国防軍が6日(現地時間)、親イラン武装組織ヒズボラを狙ってレバノン各地に激しい爆撃を加えて数十人が死亡した。 【写真】ヒズボラの新首長ナイム・カッセム氏 ロイター通信によると、この日一日の間にレバノン東部ベッカー高原近郊のバールベックが約40回の空爆を受けて38人が亡くなり54人がけがをしたと現地当局が明らかにした。 タス通信は現地放送を引用してバールベックの死亡者が45人、負傷者が59人だと伝えた。古代ローマ遺跡付近の駐車場にもミサイルが落ちたと伝えられた。 バールベックは紀元前マケドニア王国のアレクサンドロス(アレクサンダー)大王に征服された時にヘリオポリスと呼ばれた都市だ。ローマ帝国の時にこちらに建設された神殿は国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に指定されている。 この日レバノンの首都ベイルート南部にあるヒズボラの拠点であるダーヒエ地区にも、イスラエル国防軍の事前待避警告に続いて空爆が加えられた。 これに関連し、イスラエル国防軍は声明で「空軍がダーヒエ民間人居住地区に設置されたヒズボラ指揮本部、武器貯蔵庫、テロインフラを攻撃した」と明らかにした。休戦議論には消極的なまま攻勢を継続するイスラエルの主戦論的な態勢は前日行われた米国大統領選挙結果とも関係があるとの観測が出ている。 共和党候補として出馬したドナルド・トランプ前大統領がこの日勝利を事実上確定し、執権1期時に親イスラエル政策を展開した点などを考慮に入れると、戦争から退かないとする現在のイスラエルの態度を強化する場合があるという分析だ。 トランプ氏が執権1期当時にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親密な関係を結んで「ブロマンス」を誇示した点を考えると、現在のガザ地区戦争局面で次期米政府がイスラエルをより全面的に支持する可能性があるという点でだ。 ◇ヒズボラ「米選挙結果、関心ない」 これに関連してヒスボラのナイム・カッセム事務総長は、米国選挙の結果に期待をかけていないと話した。 この日、AP通信によると、カッセム氏は公開されなかった場所で事前録画した放送演説で「われわれは敵に侵略の終息を要求させるようにする」と話した。 カッセム氏はまた「われわれの軍事力は長い間使用することができ、われわれは米国選挙の結果に依存しない」とした。 今回の演説はヒズボラ元首長だったハッサン・ナスララ師がベイルートで暗殺されてから40日間哀悼期間を過ごすことを記念するものだった。 カッセム氏は「ハリスが勝とうがトランプが勝とうが、われわれには何の価値もない」と切り捨てた。「ヒズボラが敵の侵略を止めてこそ休戦交渉に開いている」と話し、「戦争を止めることができる唯一のものは戦場」と付け加えた。 パレスチナの武装組織ハマスは6日大統領選挙で勝利したトランプ次期政府がガザ地区で「戦争を中断するために真剣に努力しなければならない」と話した。 ハマスのこの宣言は、トランプ氏がネタニヤフ首相にもし選挙で勝ったら来年1月20日の就任時までに紛争を終息するように要請したという報道後に出てきたものとフォックス(FOX)ニュースが伝えた。 ハマスは「トランプが米国大統領選挙で勝利するという初期結果を考えた場合、米国国民が1年以上カザ地区に対する(イスラエル)侵略に対して提起してきた声に耳を傾けなければならない」と促した。