【エリザベス女王杯 俺のチェックポイント】2桁人気で連続激走シンティレーション 心身ともに本格化ムード
エリザベス女王杯の「俺のチェックポイント」2日目は、東京サンスポの綿越亮介記者がシンティレーションに注目した。2桁人気の前2走で1、2着と激走続きのロードカナロア産駒。ここへきて急上昇している理由を探った。 ◇ この日のお目当てはシンティレーションだ。2走前に新潟日報賞を11番人気で制すると、前走・府中牝馬Sも10番人気ながら上がり3ハロン最速タイ32秒8の豪脚で2着と激走。5歳夏を境に、にわかに本格化ムードを漂わせている。躍進には明確な要因があるのか、大庭助手を直撃した。 「メンタルが成長して、折り合いがつくようになったのが大きいですね。普段の生活から一段と落ち着きが出てきましたから。精神的に大人になりました」 3走前まで上がり3ハロン33秒台を使ったことがなかったように、以前は前半で掛かって脚をため切れず、伸び負けることが多かった。しかし、2走前から突然の〝キャラ変〟。道中でリラックスしてラストに鋭い脚を使えるようになり、「今は充実していますね」と同助手はうなずく。 肉体面も着実に成長している。5日は美浦ダートコースでハッキング。ブレのないフォームで、馬体に芯が入ってきた印象だ。「体幹が強くなったので体をしっかり動かせるようになりました。それに伴って息づかいも整ってきましたね。雰囲気はいいですよ」と調整役は上々の感触を得ている。 今回は初の2200メートルが大きなポイントだが、「前半で力みなく走れるようになっているのでもってくれれば。レースのレベルが上がってペースが流れた方が競馬はしやすくなります」と前を向く。「どの位置からでも運べるので、あとはいい馬場でやれれば。メンバー的にチャンスはめちゃくちゃありますよ」と大庭助手は力強く締めた。 府中牝馬S組は過去10年で最多4勝を含む10連対と好相性。今年Vのブレイディヴェーグが女王杯連覇を狙わずマイルCSに回ったことで、この馬にとってはチャンスが広がった。磨きをかけた末脚で、ライバルをのみ込む可能性は十分。馬場や枠順次第では、重い印を打つ必要がありそうだ。(綿越亮介)