「もうちょっと厳しい厳罰化があれば」実際にカスハラに遭った人の思い 道議会でカスハラ防止条例成立も
HTB北海道ニュース
客からの迷惑行為「カスタマーハラスメント」。カスハラと呼ばれ社会問題となっていますが、先週、道議会でカスハラ防止条例が成立するなど対策の動きが広がっています。実際にカスハラに遭った人の思いを取材しました。 音声) 「これ以上恥かかすんかおい、おい」 「あんまワシのこと舐めとったらあかんぞこら、おい」 大きな声で相手を威圧する男性。これは先月、札幌市内の中古車販売店の代表にかかってきた電話の音声です。 中古車販売店の代表) 「怖かったというのが一番。家族に危険が及ぶかもしれない恐怖。」 電話のきっかけは販売した車のバッテリー不良です。代表によりますと、もともとバッテリーの不具合が多い車で、店で何度か交換を行ったものの直らなかったことから保証なしで販売。客にもその旨を説明し、納得してもらったうえで今年4月に契約を結びました。 中古車販売店の代表) 「うちの方としても、それが故障するとどうなりますよとかっていうご説明もしたんですが、ご本人様としてはわかりました、特に疑問に思ってる感じもなかったですね。」 しかし、9月に入り、客の義理の息子を名乗る男性から電話がかかってくるようになったと言います。 中古車販売店の代表) 「電話で罵声を浴びせられた時っていうのが営業時間外で僕も自宅にいまして妻も横にいる状態で電話していて。電話でお前の嫁の名前はなんだとかよくわからないことも言っていたのでうちの嫁も怖い思いしてますし。」 代表は一連の電話について警察に相談。しかし、このように言われたといいます。 警察) 「事件性が低いので何もできない」 今年行われた道内の企業などを対象とした調査では、カスハラ被害に遭ったという回答が59.1パーセントにのぼり、意味不明な恫喝を受けたり包丁で刺すなどの脅しを受けたという事例もみられます。こうした状況を受け、道議会では先月26日、カスハラ防止条例が成立。こうした条例は東京都に次ぐ全国2例目で、来年4月から施行されます。客の要求や言動のうち社会通念上、不相当なもので従業員の就業環境が害される行為をカスハラと定義。罰則はないものの、カスハラを行ってはならないと定められています。 中古車販売店の代表は条例成立に期待感をにじませつつこのように話します。 中古車販売店の代表) 「できるだけ同じ思いをする方が少なくなるように、もうちょっと厳しい厳罰化があればいいのかなとは思いますね。」
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