生駒は2年連続で決勝進出! 4発完封も慢心なし…久保田「チャレンジする気持ち足りない」、創立20年目の法隆寺国際は準決勝敗退:奈良
[11.3 選手権奈良県予選準決勝 生駒高 4-0 法隆寺国際高 橿原公苑陸上競技場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 11月3日、橿原公苑陸上競技場で第103回全国高校サッカー選手権大会奈良県予選準決勝が行われた。第1試合では、生駒高と法隆寺国際高が対戦し、生駒が4-0で勝利し、決勝戦に駒を進めた。 立ち上がりから早々にチャンスを作ったのは、法隆寺国際。前半2分、右サイドからFW表屋陽(3年)のクロスにMF北山昊青(3年)がダイレクトで足を合わせたものの、惜しくもオフサイドとなった。 早々のピンチをしのいだ生駒は前半4分、ボールを奪取すると、MF片山友樹(3年)のクロスにMF家根本裕太(2年)が頭を合わせ、先制した。さらに21分には、右サイドからカットインしてきたFW上野日成(2年)からのパスを受け、MF坂口亮太(2年)が右足を振り抜き、追加点。生駒高が2点リードし、折り返した。 後半に入ると、生駒はさらに得点を重ねる。後半13分には、途中交代で入ったMF大下美智(2年)がエリア内に抜け出し、3点目。20分には、FW渡邉耕太郎(3年)が運んだボールを片山が落ち着いてゴールへと流し込み、4点とした。法隆寺国際は、前半よりもさらに距離感を整備し、相手の間を縫うパスを繋ぎながら、生駒高のゴール前へと迫ったが、得点を奪うことができずにタイムアップ。生駒が4ゴール無失点で、勝利した。 生駒はクリーンシートで終えることができたものの、共同キャプテンを務めるDF久保田蒼大(3年)は苦い表情でこの日の守備を振り返った。「スライドをするなど、組織として守れていたわけではなかった。チームとして守備をできているような手応えはなかったし、攻撃に繋げられるような守備は全然できなかった。こういう舞台で緊張もあったけれど、チャレンジする気持ちが足りなかったと思う」と話し、決勝戦には「もっと強気に守備ができるように」1週間で良い準備をすることを誓った。 また、中盤でのゲームメイクと1ゴール1アシストで生駒の勝利に貢献した、久保田と共に共同キャプテンを務める片山は、昨年の決勝戦で敗れた悔しさにも触れ、「去年の分もあるので、絶対に勝ちたい」と力強く語っている。 結果こそ0-4ではあったが、法隆寺国際は、足元の技術も高く、しっかりと相手を見ながらポゼッションサッカーを展開した。生駒高・古田泰士監督も、勝利できた生駒高の選手たちの活躍だけでなく、「技術面では、法隆寺国際高が優っていた」と讃えていた。 法隆寺国際は、2005年に斑鳩高と片桐高を合併し、新設された、創立20年目の学校だ。統合した当初に一度、統合前の斑鳩高として一度、準決勝の舞台に立ったことはあるというが、近年その機会はなかった。鬼岩克典監督が法隆寺国際高に赴任し、サッカー部を率いるようになったのは6年前。鬼岩監督自身が中学まではディアブロッサ高田で、高校は奈良育英で学んだことを生かし、32歳までディアブロッサ高田の社会人チームでプレーすることを楽しめた経験があったことから、「生徒たちにも長くサッカーを続けてもらいたい。能力が高くなくても、技術を磨けば、勝っていくこともできる」という思いで、技術面の向上に重きを置き、生徒たちを指導してきたという。 6年かけて定着したスタイルをもって、今大会で新しい一歩を踏み出すことができた法隆寺国際。「この6年の中では、スタート段階では最もレベルは低いチームだったと思うが、成長してくれた」選手たちの向上心を次の代へも繋いでいきたい。 (取材・文 前田カオリ)