植田総裁、利上げ判断「もう1ノッチ欲しい」 賃上げ見極めの姿勢
日本銀行が金融政策を維持し、政策金利を0.25%程度に据え置いたことを受け、植田和男総裁は19日の記者会見で「次の利上げの判断に至るには、もう1ノッチ(段階)欲しい」と話し、来年の春季労使交渉の賃上げ動向や、米国のトランプ次期政権の経済政策を見極める姿勢を示した。 植田氏は、前回10月の金融政策決定会合後の会見で、経済・物価の見通しが日銀の予想通りに進めば、利上げを検討する考えを示していた。 今回利上げを見送った判断について、植田氏は賃金と物価の好循環の強まりを確認するという観点から、「来年の春闘に向けたモメンタム(勢い)など、今後の賃金動向についてもう少し情報が必要と考えた」と語った。加えて、来年1月にトランプ次期大統領が就任することから、「現時点では、経済政策を巡る不確実性が大きい」との認識を示した。米経済の先行きは、海外経済や金融資本市場への影響が多大であるとして、「我が国の経済物価に与える影響についてよく見ていきたい」と述べた。
朝日新聞社