このフレーズが出たら要注意! 金融機関の「要注意セールストーク」10選【老後の大切なお金の一番安全な増やし方】
今がチャンスと煽られて1600万円の含み損
Bさんは、付き合いのある証券会社の担当者から、新規公開する通信会社の株を勧められました。 「この株は非常に期待できるので、人気があってなかなか手に入りません。今ならなんとか確保できます。この銘柄でこれまでの損を挽回しましょう」 そんな誘い文句に乗り、Bさんは3万株申し込んだそうです。 ここで指摘しておきますが、本当に期待値の高い新規公開株が一般の投資家まで降りてくることはほぼありません。もしあるとしたら、人気のない「あまりもの」を処理したいときだと疑うくらいでいいでしょう。 案の定、この株は上場後に大きく下落。Bさんはすぐに売却しようとしました。しかし担当者から「配当が出るから持っていれば大丈夫です」と言われ、その言葉を真に受け保有し続けたそうです。 その後、どんどん話はおかしくなっていきます。あるとき大手生命保険会社の公募増資が発表されると、すぐさま担当者は「これで通信会社の株の損失を取り返しましょう!」と勧めてきました。Bさんはまたも相手の言葉を信じて通信会社の株を損切りし、約750万円まで膨らんだ損失を確定。提案された生命保険会社の株に乗り換えます。 結果は最悪。通信会社の株は売った直後から値上がりし、逆に保険会社の株は不祥事で急落して約860万円の評価損が発生。結局、合わせて約1600万円ものマイナスとなってしまったのです。 未来のことは誰にもわからないので結果論になりますが、「今がチャンス」だからといって、シニア世代の運用者がリスクをとる必要があったのでしょうか?
2500万円のコストをかけて利益はたった400万円
少し大きな金額の事例です。投資金額が大きいほど、失敗したときのダメージは大きくなってしまいます。 ある有名企業の元役員であるEさんは、3億円の余裕資金を5年間、銀行が勧める投資信託で運用していました。 5年間でのトータルのリターンは400万円程度。年平均0・27%の利率にしかなりません。相場は悪くなかったのに、これほど低いリターンしか得られないのは不自然です。 実はこの裏には、高額の手数料が隠されていました。購入当初の販売手数料が750万円。毎年の運用手数料が350万円。ただ投資信託を保有していただけで、なんと合計2500万円ものコストを支払っていたのです。 Eさんは400万円の利益のために2500万円も使ったことになります。しかも2500万円は運用に回ったわけでもなく、純粋な出費です。 さて、最も高い利益を得たのは誰でしょうか? 銀行です。いったい誰のための投資だったのでしょうか。