【山口県】サルの次はアナグマが!? 福田果樹園の20世紀梨が全滅
周南市大潮でナシやモモを育てる福田果樹園(福田孝志代表)がアナグマの被害に遭い、モモ、赤梨、20世紀梨がほぼ全滅。毎年人気のナシ狩りが開催できない事態に陥った。 福田果樹園は終戦後にモモの栽培を始めた70年以上続く果樹園。これまで、台風の直撃で木がなぎ倒されたり、クマなどに果実を食べられる被害に苦労しながらも、小学生や来園客に喜んでもらうためにと、毎年ナシ狩り体験は続けてきた。 昨年は7~8割の果実をサルに食べられて大打撃。サル用のフェンスを設置したためか、今年はサルの襲来はなかった。 ところが今年はアナグマがフェンスに隙間を作って果樹園に入り込んだ。フェンスを頑丈にしても穴を掘って入り、侵入経路に石を置いたり、竹や金属棒を打ち込むなどしたが、アナグマの侵入は止まらずほとんどが食べられてしまった。
例年だとこの時期には市内の学校から生徒らがナシ狩りや福田代表の話を聞きに訪れるが、今年はナシがないため各学校に出向いて断りを入れた。1校のみ「それでも」と、地域の自然や動物の話を聞きに来てくれたという。 同園の売り上げは昨年、サルによってほぼなくなったが、今年も売り上げは見込めない状態。福田代表は「新たなフェンスを入れたのでそれで対策できれば。3年も続けてやられてはお手上げ。動物と知恵比べだ」と話す。 周南市農林課によると現時点で同市のほかの園で似たような被害はなく、アナグマについては個人宅の敷地内に入ってきたという相談のみ。 下松市農林水産課の情報ではクマやイノシシが多く、ビニールハウスの球根や個人宅のカキが被害にあっている。動物に関する報告や相談件数は昨年度が38件、今年4月から12日時点で59件と増加している。 光市農林水産課では今年、アナグマの被害による捕獲箱の貸出件数が増えている感覚だという。 この地域への恩返しという想いで、苦しい状況でも果樹園を続けてきた福田代表は「儲けられなくても倹約すれば続けられる。年寄りだからこそできる」と話すが、次の代に繋ぐためにも利益は必要。 最近になってアナグマだけではなく、人が入り込んだ可能性も発覚。人対策も視野に入れて来年に備えている。