井上順、刺激を受けたドラマ『VIVANT』の現場を回顧「スタッフの一人ひとりが生きていましたよ、みんな。体も目も」
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。11月5日(日)の放送は、井上順(いのうえ・じゅん)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
◆76歳にして今なお刺激を受けた、ドラマ「VIVANT」の現場
現在76歳の井上さんがデビューしたのは、16歳のとき。今なお芸能界の第一線で活躍する大御所を前に、小山は緊張の面持ち。「井上さんといえば、『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)での名司会ぶりですよね」と話す小山に、井上さんは「あれはね、名司会じゃないんですよ。芳村真理さんの力ですよ」と謙遜。「隣に芳村真理さんがいてくれるので、僕は好き勝手泳がせてもらっていたんですよね」と振り返ります。 現在のテレビは、昭和当時と比べると「ちょっと違いますね」と井上さん。「(昭和の頃は)手探りをまだ続けているという感じがしましたね。規制がそんなになかったんですよ」と当時を回顧。 井上さんから「小山さんは自分でプロデュースもするし、いろいろなことをするから時代の流れにも敏感でしょう?」と問われると、小山は「やっぱり昔の先輩たちと僕が下っ端で仕事をしていた頃の自由で大らかな感じ、許す力があったんですよね。だんだん許す力が薄れてきている気はしますけどね。あとは制約の多さとか、それは感じますね」とうなずきます。 1986年生まれの宇賀に向けて、井上さんは「宇賀さんはその頃は生まれていないわけですけど、その頃ってね、アメリカのドラマとか音楽番組を観ていたわけじゃないですか。テレビ局の方たちもね、やっぱり勉強をしに向こうに行っていたんですよ。アメリカに追いつけ追い越せで頑張って、仲間と一緒に『こういうのを作るぞ!』と。手作りっていうのが本当に始まったいい時代だった。今がいい時代じゃない、ではなくて、今もいいんですよ。でもそうやって、みんなが切磋琢磨した時代だったのかな」と語ります。 そんな時代背景に、宇賀は「その時代の業界でお仕事をしてみたかったなと思いました」としみじみ。すると、井上さんは「時間的なもの、予算的なものがね、昔とはちょっと違うかもわかんないけど、今でもできる。絶対にできるから、宇賀さん、あきらめちゃだめよ。1人でもそういう気持ちがあったら伝わってくるのよ」とアドバイス。 自身が今年出演した話題作「VIVANT」(TBS系)を引き合いに出して、「スタッフの一人ひとりが生きていましたよ。体も目も。“おっ、久しぶりにこういう現場に行ったな”っていう感じがして。これからそういうのに触れた方たちが、『こうやると広がっていくんだな』と感じてほしいなと。一石を投じたというか、改めて『捨てたもんじゃないな』という感じがするし、宇賀さんもそうした(熱い)気持ちを持ってね、『これは嫌だ』『これはやらない』とかじゃなくて、やりながら、消化しながらやっていくと、いろいろな発見があると思う」と力を込めます。 芸能界の大先輩からの助言に、宇賀は「ありがとうございます」と恐縮しきり。そんな様子に、小山が「いろいろな刺激を受けますね」と声をかけると、宇賀は「はい! 今、受けまくっています!」と声を弾ませます。