ママ友と何を話したらいいかわからない…発達障害グレーの私の“静かなパニック”とは<漫画>
『ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。』(はちみつコミックエッセイ)では、著者のはなゆいさんがうっかりミスや物忘れの多さなど、自身の困りごとに向き合っていく姿を描いています。 【マンガ】『ただのぽんこつ母さんだと思っていたらADHDグレーでした。』を読む はなゆいさんは、思い切って心療内科の門を叩いたことで、悩みの原因が発達障害の一種であるADHD(グレー)にあることを医師から告げられます。 ADHDとは何か、自分の特性に対してどんな対策をすればいいのか考えながら自分自身を受け入れていくようになります。 今回は、本書から1話を紹介。幼少期の困りごとや、ADHDの子どもに対するサポートの仕方、はなゆいさんの過去のエピソードなどについて聞きました。
「やる気のない子」と叱責された子ども時代
――幼少期はどんな子どもだったのでしょうか。 はなゆい:忘れ物は多かったです。静かで、教科書を忘れても隣の子に「見せて」と言えなかったり、困りごとを口に出せないところがありました。 ――思ったことを衝動的に口に出してしまう、ADHDの方に見られることがある「衝動性」とは逆のように感じますが、当時はなぜ困りごとを口に出せなかったのだと思いますか? はなゆい:ADHDの「衝動性」は、基本的に自分のやりたいと思ったことを止められないというものなんです。だから、「やりたくない」と感じていることに「衝動性」が発揮されることはありません。 私は、先生に「早く隣の子に教科書を見せてと頼みなさい」と注意されると、緊張してますます話せなくなったり動けなくなったりしていました。性格的なものもあるかもしれませんが、これは発達障害の子に多い「パニック」の状態です。多すぎる情報や刺激を脳が処理できずフリーズしてしまっているんです。 ――1話にも、娘さんの幼稚園のお迎え時、ママ友の集団を前に「何が余計な一言で、何が大丈夫なのか分からない……」とフリーズしてしまい、輪に入れない場面がありましたよね。 はなゆい:「パニック」というと大騒ぎするイメージですが、この状態は「静かなパニック」といわれます。体が動かなくなったり、周りの音や景色が遠くなっていく感覚があります。先生からの圧力や周りの目……子どもの頃の私はそれらを処理できずパニックになっていたんだと思います。