UBSのファンド運用者、中国ジャンク債を選好-インドには懐疑的
(ブルームバーグ): UBSアセット・マネジメントの新興国市場債券責任者シャマイラ・カーン氏は、債券投資においてやや直感に反する戦略を採用している。
同氏はゴールドマン・サックス・グループなどとは異なり、投資家に人気があるインド国債を回避し、長引く不動産危機に見舞われ、値動きが不安定な中国のハイイールド債を選好している。
カーン氏の戦略を受け、「UBSエマージング・エコノミーズ・グローバル債券ファンド」はここ1年間で、ライバルの89%を上回る運用成績を上げた。この戦略の趣旨は、市場リスクが誤って評価されていると思われる分野を探し出すことだ。インドについては、モディ首相の総選挙での後退や連立政権の複雑さに関する市場の見方が楽観的過ぎるとカーン氏は指摘する。
計約10億ドル(約1580億円)の資産を運用するカーン氏は今週のインタビューで「インドでは市場はリスクを過小評価しているが、中国のハイイールド債やスリランカなど新興国の一部について、市場はリスクを過大評価している」と指摘。「われわれは市場がリスクを過大評価している国を探し出そうとしている」と述べた。
パキスタンがトップピックだと同氏は指摘。同国のドル建て債券はここ1年で回復している。
中国のドル建てハイイールド債も上昇しており、ブルームバーグの指数のリターンは今年に入り10%近くとなっている。相場回復に拍車をかけているのは、中国当局が5月に大規模な支援策を打ち出し、不動産危機の収束を図っていることだ。
カーン氏によれば、中国のジャンク債のリスクプレミアムは織り込み済みだという。「それは数カ月にわたりわれわれが抱いている見解だ」と同氏は付け加えた。
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原題:UBS Fund Manager Likes China Junk Debt But Is Skeptical on India(抜粋)
--取材協力:Catherine Bosley、Pearl Liu、Myriam Balezou、Lorretta Chen.
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Ronojoy Mazumdar