【天皇杯】東京V山見、代表さながら攻撃的ウイングバック 城福監督「ゲームチェンジャーに」
<天皇杯:東京V5-0長野>◇12日◇2回戦◇味フィ西 東京ヴェルディが、森保一監督率いる日本代表さながらの新戦術を披露した。 3バックにウイングバックを両サイドに置く同じシステムだが、終盤に俊足アタッカー山見大登(24)を右に配置。相手ボールの時は5バックで最終ラインの右まで下がり、マイボールとなると一気に最前線まで飛び出した。 山見はこの日、左シャドーで先発し、得意のドリブル突破からチャンスを次々と作った。そして後半31分に縦パスを受けると左サイドから抜け出し、シュートを打つと見せて右に切り返す技ありプレーから最後は右足で豪快に対角のゴール右隅にシュートを決めた。 そのプレーの後から右のウイングバックに下がり、輝きを放った。後半40分すぎには絶妙なタイミングで縦パスを引き出し、一気にゴール脇の「ポケット」まで持ち込みクロスを送るなど、持ち味を存分に発揮した。 山見は「ウイングバックで試されているのは分かっていたし、そこで自分がどこまでできるかが今後につながると分かっていたので、持ち味を出せるように意識をしていました」。 前日のワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本代表戦(対シリア)は見ていなかった。それでも「まずは目の前のクラブのことですけど、いずれはそのステージに立てるようにしたい」という野心はある。 この日に見せた縦への加速力は、日本代表の中村敬斗、堂安律さながらの鋭さだった。「あれが自分の特長やと思いますので、もっと出せるようにしたい」。 また、新たなオプションを手にした城福監督も納得の表情で「彼の高い決定力はゲームチェンジャーとして活かしていきたい」。課題とするのは守備面。「ポジションの修正」ができるようになれば、ウイングバック山見はまさしくヴェルディの切り札となりそうな勢いだ。