<万里一空・彦根総合23センバツ>選手紹介/1 /滋賀
3月18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に初出場する彦根総合。県勢初の全国制覇に向け、練習に励む選手たちの素顔を紹介する。【飯塚りりん】 ◇練習皆勤の左腕エース 野下陽祐投手(2年) 縦のスライダーで三振を奪う左腕。1年生からエースとしてチームを支えてきた。 小学時代に所属していたチームの監督だった、山田光義コーチ(66)が「練習を絶対に休まなかった」と話すように高校でも皆勤を貫く。「じっとしているなら練習したい」といい、昨秋の近畿大会の大阪桐蔭戦で自身の投球が通用しなかった悔しさから下半身強化に取り組む。 仲間が落ち込んでいれば前向きな言葉を掛ける。吉田悠人投手(2年)が投手を諦めようとしたときは「投手は試合を作るのも大事だが、自分の投げたい球を投げるのが一番楽しいぞ」と励ました。 一方で樋口律選手(同)に抱きついて寝るなど、3人兄弟の末っ子らしい甘えん坊な一面も。 「甲子園では楽しみつつ、どんな場面でも冷静に変化球を投げたい」と活躍を誓う。 ◇巧みなリード、光る長打 森田櫂捕手(2年) 強肩強打の捕手で、タイプの違う3投手を巧みにリードし、持ち前の長打力でもチームの勝利に貢献する。 岐阜県出身。中学時代から捕手となったが、最初は「ボールを受けるのが怖くて嫌だった」と振り返る。しかし、現在は「捕手は指示が出せる唯一のポジション」とその魅力を語り、武元駿希投手(2年)も「全て受け止めてくれるので思いっきり投げられる」と投手陣の信頼も厚い。 練習時に声が出ていないと岐阜弁で厳しく注意するなど厳しさもあるが、グラウンドを離れれば後輩の好きなお菓子を買ったり、上着を忘れた選手に貸してあげたりと心優しい一面も。ファッションにはこだわりがあり、修学旅行ではストリート系の服を格好よく着こなした。 「投手が安心して持ち味を生かせるようにリードしたい」と意気込む。