霜降り明星せいや、初の半自伝的小説は痛快ストーリー 反響に驚き「本の力ってすごい」
霜降り明星せいやの半自伝小説「人生を変えたコント」(ワニブックス)の取材会が本日11月30日に東京・HMVエソラ池袋にて、ファンを招いたサイン会お渡し会イベントを前に行われた。これは2021年夏より3年以上の月日をかけてせいやが書き上げた作品。連載終了後に3万字以上の加筆をして完成させ、11月25日に刊行された。自身が高校時代に経験した「ある日、突然はじまったいじめ」と「人生を変えた文劇祭(ぶんげきさい)のコント」について赤裸々に綴っている。 【画像】自著「人生を変えたコント」を手書きで執筆したと語る霜降り明星せいや 「本出したらこんな人集まってくれんねや」と取材会の規模に驚くせいや。「ネタ作りと同じ感じで作りました」という本書の増刷が決まり、10万部を超えるとまず知らされて「10万部は目標にしていた。ワニブックスの人が(麒麟・田村のベストセラー)『ホームレス中学生』と初速が一緒ですと言ってくれた。デカッ!」と喜ぶ。読者からの感想を聞かれると「めっちゃ来てます。本の力ってこんなすごいんやな、こんな反響あるんやと。1冊完成してみたら今までの苦労が報われる。お笑いとまたちゃうなと」と感激している様子。そのほか「じいちゃんとLINEしてて『本よかったよ』って絶賛してくれた。相方(粗品)には配ってない。読みたいと言ってくれたミキの2人には送らしてもらった」と報告した。 本書には学生時代の辛い体験が書かれている。出版の動機を尋ねられると「この体験をしたときに、本にせなあかん、本で終わる話やなと当時から思っていた。妹からLINEで『ホンマに兄ちゃん、本にしたやん』と。当時から家族と話していた」とのこと。読者に一番伝えたいこととして「社会問題をどうしたいとか大義はなく、この物語を楽しんでほしいのが第一。テーマが重いと思われがちだが、いじめを笑いではねのけた痛快ストーリー。『笑って泣ける』という感想が一番うれしい」と伝えた。 映像化を考えているかどうかの質問には「芸人1年目からこのエピソードをまわりに話していて『映画化やろ』とよく言ってくださっていた。ぼやっと映像やマンガにする広がりを夢見てる」という。映像化の際に自分の役を誰に演じてほしいか聞かれると「自分のラジオで冗談で『フォルムが似てるニッポンの社長のケツ』って言ったが、自分の作品を茶化したらアカン。初めての著書なので、有名な俳優さんよりはこのドラマが初めての主演の人と初めて同士でタッグを組むのもアリ」と展望を明かした。 執筆はPCやスマホではなく手書きで行ったという。「過去の物語を(頭で)映像化しながら、殴り書きした。そのほうが臨場感が出る」という。本日の取材会に帽子をかぶってきたことについては「本を書いた人のイメージでかぶらしてもらった。スーツに帽子。普段こうなんやと思われたい」と思いを述べる。次回作の構想を問われると、未定ながらも「この本が高校の話。そもそも小学校のときから漫才していたので『人生を変えた』シリーズで『人生を変えた漫才』を。あと団地育ちなので団地でのエピソードもありやなと思ってます」と述べた。 昨年2023年に結婚し、子供も生まれたせいや。「本になる前の段階で奥さんに読んでもらった。リビングでめっちゃ泣いてました」と伝える。子供の存在は「めちゃモチベーションになりました。仕事終わりに本を書くのはしんどいけど、子供がいつか読むかもしれんと思ったら筆のスピードが上がりました」という。印税に関しては「10万部ってことは……という計算になりますよ(笑)。麒麟の田村さんが2億円というのは有名なので続きたい」と微笑みながら「使い方は、大きく使いたいが、まだ作戦を言わないでおきます」と思いを秘めている様子。また本書について、情報未解禁だが、ある番組で特集が組まれるという。取材会のラストにPRのコメントを求められたせいやは「1週間で10万部! 社会現象になれ!」と叫んだ。