維持かバスへ転換か 累積赤字14億超えの阿武隈急行 地震被害とコロナ禍の度重なる苦難 観光利用にも課題【福島発】
維持かバスへの転換か
阿武隈急行線の今後について、福島県の内堀知事は「福島県側の増便やダイヤ見直しなどを提案」していて、つまり路線維持の方向性だ。一方で、宮城県の村井知事は「バスへの転換なども検討を提案」としている。
県や沿線自治体から補助金や支援金
2023年度、鉄道事業の赤字は約5億1200万円だが、最終的な赤字は約3500万円となった。なぜ減るのかというと、福島県・宮城県・沿線の5つの自治体から、補助金や赤字を補う支援金が4億円以上出ているからだ。 大きなお金がかかるだけに、宮城県の村井知事は「路線維持には相当腹をくくる必要があり、その分、市民サービスは低下すると思う」という考えを示している。 ちなみに、宮城県柴田町からは2023年度の支援金約2350万円が支払われていない。
観光客の利用に課題
また、通勤通学で利用する人は定期券を使うが、定期券ではない、つまり観光や買い物での利用者数は、全体の利用者に対し、会津鉄道は約56%、福島交通飯坂線は約57%。一方で、阿武隈急行線は約36%と観光利用者などに課題があることがわかる。 阿武隈急行の冨田社長は「今後観光やイベントでの利用者を増やしたい」というが、自治体の支援金なしですぐに黒字化するのは難しいとしている。 (福島テレビ)