一日一歩と書いた色紙を手にポーズを決める川真田紘也（撮影・大城　有生希）

　9季目を迎えるバスケットボール男子のBリーグは3日、オープンハウスアリーナ太田で開催される群馬―広島戦で1部（B1）の新シーズンの幕が開く。NBAで日本人最長の6季プレーした渡辺雄太（29）が千葉Jに加入。Bクラブにはパリ五輪に出場した日本代表12人中8人（B1に7人、B2に1人）が在籍する。滋賀から長崎に移籍したセンターの川真田紘也（26）は五輪代表から落選したが、サポートメンバーとして五輪に同行。日本代表選手たちとの対戦を心待ちにしている。 　サービス精神旺盛な2メートル4のビッグマン、川真田が開幕に向けて気持ちを高ぶらせている。昨季まで所属した滋賀で髪をチームカラーの青に染めた時期があり、23年W杯には赤い髪で臨み“リアル桜木花道”と称された。長崎に移籍した今季は金髪。奇抜さはないが「今季は（長崎名物の）カステラ色の金髪でいく」と明確な意図がある。「Bリーグを盛り上げるために一肌脱ぎたい。仕事を振ってもらえれば何でもやります」。バスケ界を盛り上げるために、全力を注ぐ姿勢は健在だ。 　9季目を迎えるBリーグ。48年ぶりに自力で出場したパリ五輪で世界の強豪に善戦した日本代表の8選手がプレーする。千葉JはNBAで6季プレーした渡辺雄が加入。司令塔の富樫との日本代表ホットラインが所属クラブでも開通する。宇都宮にはベテランの比江島、A東京にはテーブス、昇格1年目の越谷には井上が在籍。吉井はA東京から三遠、渡辺飛は琉球からB2信州に活躍の舞台を移す。長崎では馬場、SR渋谷ではホーキンソンがプレー。開幕節から千葉J―宇都宮、長崎―SR渋谷など日本代表を擁するチーム同士の対決が実現する。 　最終選考でパリ五輪代表から落選した川真田だが、練習相手などを務めるサポートメンバーとして日本代表に同行。五輪本番の試合も会場で見守り「五輪は試合を見ているだけで勉強になった。渡辺（雄）選手や八村選手からは練習や試合に対する姿勢を学んだ。開幕戦で戦うSR渋谷のホーキンソン選手とのマッチアップは本当に楽しみ。手ごわい相手だが、自分のできることを精いっぱいやりたい」とBリーグでの再会を心待ちにしている。 　26年には新トップカテゴリー「Bリーグ・プレミア」がスタートする。「アリーナ」「入場者数」「売上高」の3つの基準を満たしたクラブが参入できる仕組みで、初年度の参戦クラブは17日に第1弾が発表される。ここ数年は21年の沖縄アリーナを皮切りに、オープンハウスアリーナ太田、SAGAアリーナなど大型多目的アリーナが次々と開業。今季も約1万人収容の千葉Jの新本拠ららアリーナ東京ベイなどが稼働を始める。 　長崎も収容6000人規模の新アリーナ「ハピネスアリーナ」の使用を開始する。既にプレシーズンマッチを行い、川真田は「ファンが本当に熱い。コートと観客席が近いので、後押しされている感じがする。バスケをするための素晴らしいアリーナでプレーさせてもらえるので、勝利を重ねられるように頑張りたい」と力を込めた。Bリーグが定める中期経営計画のキーワードは「感動立国」。世界で最も愛されるリーグを目指して、心を動かす試合を届ける。 　≪東地区・千葉J最有力　中地区・強豪ひしめく　西地区・琉球が筆頭≫【展望】東地区は4季ぶりの王座を目指す千葉Jが最有力。2メートル6のオールラウンダー渡辺を筆頭に、主力に2メートル超で得点力のある選手がそろう強力な布陣だ。群馬はW杯王者のドイツ代表のティーマンらを獲得して、昨季広島を優勝に導いたミリング監督も招へいし、台風の目になりそう。 　中地区は最激戦区。23～24年地区王者の三遠はパリ五輪代表の吉井やNBAで6季プレーしたヌワバが加わり、戦力に厚みが増した。地区分けの変更で、昨季東2位のA東京と、西覇者の名古屋Dがいずれも中へと移った。 　西地区は、22～23年王者で23～24年も準優勝だった琉球が筆頭。エースだった今村が名古屋Dに移ったが、長距離シュートが武器の岸本らが健在だ。昨季地区3位からCS優勝と旋風を巻き起こした広島は朝山新監督の采配に注目が集まる。 　▽Bリーグ1部（B1）　24～25年シーズンは24チームを東中西の3地区（各8クラブ）に分け、自地区4回戦総当たり、他地区2回戦総当たりでレギュラーシーズン60試合を行う。各地区1位と2位のチーム、それ以外の上位2チームの計8チームがプレーオフのチャンピオンシップ（5月）に進出。2戦先勝方式のファイナルは25年5月24、25、27日に横浜アリーナで開催される。