核廃絶を訴えて70年、ノーベル平和賞候補にも名前が挙がる団体が立つ岐路 今後の活動どうなる、取材で見えてきたそれぞれの判断
自らの年齢を鑑みて、原爆投下から80年となる来年を最後の節目と捉える被爆者も少なくない。広島大の川野徳幸教授は「団体は当事者の使命感の強さがあってこそ存続できていた」と考え、だからこそ、団体の今後は「核なき未来」の担い手だった被爆者がいなくなることと同義だと話す。 川野教授によると、国の支援がなくても市民社会が成熟していれば活動に人材も資金も集まるが、日本はそうではない。そのため「被爆者がいなくなった時、国全体で『核なき世界をいかに本気で目指すか』という覚悟が問われる」と語る。 最も若い被爆者でも今年で78歳。被爆者の組織はぽつりぽつりと消えていき、被爆者なき時代がすぐそこまで迫っている。