「あすなろ福祉会」に改善指導 北海道、障害者不妊処置で配慮を
北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」(樋口英俊理事長)が運営するグループホーム(GH)で結婚や同棲を希望する知的障害者が不妊手術や処置を受けていた問題で、北海道は21日、意思決定支援への配慮が不十分だったほか、相談内容の記録がなかったとして同法人側に改善するよう指導した。地域の関係機関と連携し、利用者の意向に応じたサービスを提供できるよう、さらなる努力も促した。 併せて道議会に監査結果を報告し、担当者は「処置を強制されたと感じている利用者が一部いたが、相談記録が残っておらず、確認できなかった」と説明。障害者支援を巡る調査の限界が浮き彫りとなった。 道は昨年末から障害者総合支援法に基づく監査に入り、当事者を含む関係者56人から聞き取り、結婚などを希望した10組20人のうち13人が処置を受けていたと確認した。 指導の文書を受け取った樋口理事長は報道陣の取材に「本人らが了承してのことだと申し上げた。われわれや利用者が決定したことを監査は尊重してくれた」と述べた。